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犬極道Ⅳ差し替えのおしらせとお詫び



お伝えしていたとおり、
『犬極道Ⅳ』Kindle版ですが、
配信をはじめた直後(7月7日お昼前後)に挿絵の表示に不具合があることが判明し、
数時間で配信をいったん停止しました。

その後、問題のないバージョンに差し替えて配信を再開しています(翌週後半)。

はじめの配信直後に購入してくださった方がお二人いらっしゃることがわかっています。


アマゾン側から今回の件に関してどう対応するか返事がいただけたので、
おしらせします。


はじめの不具合があるバージョンをお買い上げくださった方は
アマゾンのサイト上で「コンテンツと端末の管理」ページから最新版に更新できます。

www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/manage


こちらのページで「アップデートがあります」をクリックすることで、
本のコンテンツを更新できます。

今回の変更についてはアマゾン側から読者さまへのメール連絡はないとのことです。

たいへんお手数ですが、更新をお願いします。


なお、「コンテンツと端末の管理」の「設定」タブで、
「本の自動更新 (Whispersync for Books)」の設定が「オン」になっている場合には、
新しいバージョンが自動で送信されるとのことです


ご迷惑をおかけしました。



本当に申し訳ございません。



『昏睡』と『犬極道Ⅳ』





アマゾンKindleストアにて配信始まりました。

『昏睡』


   ★★★★★

「唾が足りないか? そら、足してやる。どうだ?」
 いったん抜けた指がぬらぬらの唾をまとってまた入ってきた。僕はその感触に鳥肌をたてた。なのに体がまともに動かない。芋虫のようにもぞもぞするのが精一杯なのだ。そして谷の指ももぞもぞと僕の中で蠢いていた。すごく変な感じがして、せつないような、たまらないような、追い詰められているような感覚があった。
「ぬ、抜いてくれよ、」
「あれだけくわえこんでいたんだ。感じないわけがない。前は入れられただけでビンビンだったろ? 気持ちがついてこなくたって、それでも体は燃えるに決まってる」
 何を言っているのかわからなかった。
「わからないよ、そんなことじゃ、わからない」
「まだ思い出せないか? だけど体は覚えてる。これからオレがお前を犯してやる。オレのものでここをたっぷり可愛がってやるんだ。そうすれば少しは思い出すだろ? お前はすげえ感じやすい奴なんだ。ケツに入れられると感じまくってしょうがなくなる。今度は意識があるんだ、いい声で泣けよ?」
 頭の片隅で、谷の言うことを分析している自分がいた。だからある程度、想像はついたのだ。昏睡でいる間に、どうやらこの男は僕を抱いたらしい。そして意識のない僕は、男でありながら同じ男に犯されて感じていた……。
 信じられなかった。信じられるはずがない。
「あっ、ああっ!」
 指が抜けたと思ったら、かわりにまた熱くてヌメヌメしたものをこすりつけられた。僕はその感触に背筋を仰け反らせた。いつのまにかどっしりと谷が僕の背中にのしかかっていた。男の体の重み。やっぱり記憶がある。
「入れるぞ?」
「あっ、ああーっ!」

   ★★★★★




 目覚めると見知らぬ病室に寝かされていた。気づいた看護師はひどく驚いて飛び出していく。季節は夏のはずなのに、みな冬の装いになっていて……。
 長い昏睡から目覚めた主人公は奇妙な夢にうなされる。家族はよそよそしく、婚約者は姿を消してしまった。わからないことばかりだが、同じイメージが繰り返し浮かんでくる。のしかかる男の体の重み……。意識を失っていた間、いったいなにがあったのか。

 BL風味のゲイ官能小説。
 サスペンス要素もあります。

 書き下ろし。原稿用紙にして116枚。




 もしかしたら他サイトにて別名義で配信していた可能性があります。
 タイトルやサンプルを参考にして、重複してお買い上げなさらぬよう、お気をつけくださいませ。
 はっきりしなくてすいません。

















こちらもアマゾンKindleストアにて配信始まりました。

『犬極道Ⅳ』


   ★★★★★

 ソフトクリームを舐めていた。場所はタイムズスクエアから数ブロックのところにある高級ブティックの前だ。店の中では妻と娘が買い物をしている。俺も食べ終えたら追いかけるつもりでいた。妻や娘が試着したものを見せたがっているかもしれない。
「ヘイ?」
 すぐ後ろから声をかけられていた。白人の若い男だった。見覚えはあるが誰だかわからない。ハンサムだが身なりが悪い。うちのレストランで食事をする人種には見えなかった。俺がシェフをしているマグワイア・ダイナーのようなきちんとしたレストランではなく、ファーストフードで三食済ませていそうなタイプだった。
「覚えてないのかよ?」
 話し方で思い出した。俺はハッと息を飲んだ。半月ほど前、夜、暗い通りをゆっくり流していると、この若い男が寄ってきたのだ。あの時、俺は震える手でフォードのウインドウを下ろしたのだった。
『オレ、あんたみたいな渋い親父さんが好きなんだ。100ドルでいいぜ』
『……乗ってくれ』
 モーテルのかび臭い部屋で俺はこの男を抱いた。ベッドにうつぶせて寝かせ、後ろから貫いた。ダニーにされたことをやり返しているような気持ちでいた。ダニエル・マグワイアは俺の作ったジビエにケチをつけ、ダイナーの厨房で俺をレイプした。部下であるスーシェフや給仕係の見ている前でまず俺のディックをケツで味わい、それから俺のケツに……。人間にする仕打ちではなかった。あの時、俺は卑猥な穴の空いたただの肉の塊に堕とされてしまった。
 これはその復讐なのか?
 若い男をファックしながらずっと考えていた。ダニーには逆らえないから、かわりにこの男娼をファックして気を晴らそうというのか?
『うっ、はっ、もうすぐだ、カム、カム……』
『中に出していいぜ、ああ、すげえよ!』
 俺はストレートだ。ゲイじゃない。男になんか興奮しない。だからこの男のケツの中で果てた後はただむなしかった。くだらないことをしたと考えた。妻にすまないと感じていた。
「……おい、溶けちまうぜ?」
 男に言われて我に返った。俺はニューヨークの雑踏を見渡した。ソフトクリームが一筋垂れて俺の手を汚していた。どうしていいかわからないでいると、男がベロリと手に伝ったクリームを舐めた。
 その濡れて柔らかい舌の感触に鳥肌が立った。
「なんのつもりだ……?」
 俺は思わず後ずさった。すると男は笑って首をすくめてみせた。
「オレも同じものが食いたいだけさ」
 パンツのポケットを探ってクシャクシャに丸まった十ドル札を取りだして男に渡した。男はニヤリと笑って言った。
「またあの通りで見かけたら、拾ってくれよ。あんたなら100ドルもいらない。80ドルでいいぜ」
「もうあんなことはしない。一度で懲りたんだ。俺はストレートだ」
「へえ? オレはてっきり……」
 男は俺の耳元に顔を寄せて囁いた。
「こないだはあんたがオレをファックしたけど、本当はあんたの方がファックされたかったんじゃないのか?」
 その瞬間、男の声以外、音というものが聞こえなくなってしまった。目の前も白くかすんでいく。何度も瞬きを繰り返すと、男がフラフラとした足取りで道の向かいのソフトクリームショップに歩いていく姿が見えた。
「パパ?」
 娘がすぐ横に立っていた。俺の手からソフトクリームを取り上げて舐める。妻も紙袋をさげてブティックから出てきた。
「もういいのか?」
「お直ししたものを受け取りにきただけなの。バーニーズに行きましょう、あなたのシャツがいるわ」
 家族三人で歩き出した。ショーウインドーにその姿が映っていた。少し太りすぎだが著名なシェフである自分、エキゾチックで魅力的な妻、そして東西の血が混じり合い美しく育った自慢の娘。なにも不満などないはずだ。これ以上、なにを望むというのか。
 なのに耳の奥でさっきの男の声が繰り返し繰り返し囁いていた。
 本当はあんたの方がファックされたかったんじゃないのか?

   ★★★★★




《これまでの犬極道シリーズご紹介》


 敵対する高畠組にリンチされ玉を抜かれた島崎。次期組長間違いなしと思われていた男の中の男はやがて腑抜けとなり、弟分だった野田にかこわれることに。野田は女好きのスケベな男だが、島崎に身のまわりの世話を焼かせ、気の向いた時には好きなように島崎の口や肛門を使う。(『犬極道Ⅰ』より)

 次期組長の座を狙う野田は近隣地域に勢力をのばしている中国マフィアと接触をはかる。マフィアの周はサディスティックな男で、「ペット」連れの珍奇なパーティを開催していた。野田は島崎を「ペット」として差し出すことで、自らと島崎の絆を試すことに。(『犬極道Ⅱ』より)

 野田と島崎がまるで主人と犬のような絆を結び合って三年。マフィアのパーティで知り合った絹江と恵莉から食事に誘われ、二人はオープンしたばかりの高級レストラン『マグワイア・ダイナー』に行く。そこでオーナーであるダニー、マリー兄妹を紹介され、野田はマリーの美貌に一目惚れしてしまう。兄をグルメツアーに連れて行ってとたのまれ引き受けるが、髭の白人男ダニー・マグワイアが食と性の野獣であることがわかってきて……。(『犬極道Ⅲ』より)


 そしてこのⅣは番外編になっております。

 主人公を『犬極道Ⅲ』に登場した白人の巨漢シェフ、ジェイソン・バードに変え、男に犯され悩み、惑う中年男の姿を大真面目に、そしてコミカルに描いております。


 コミカル・エロチカ・ゲイ官能小説。



 2017年開催の野郎フェスにて発表の同人誌『犬極道Ⅳ』のKindle版。

 紙の『犬極道Ⅳ』とは挿絵点数が違っています。
 Kindle版はコンパクトバージョンでお値段控えめ。
 小説本文は同じです。


 龍谷尚樹先生の美麗イラストがすべて収録された完全版の電子版はデジケットにてお求めくださいませ。
 そちらは紙の『犬極道Ⅳ』とまったく同内容となっております。



追記

 挿絵の表示に不具合があり、データを新しく差し替えました。
 以前のバージョンをお買い上げくださった方が二名ほどいらっしゃることがわかっています。
 アマゾンから連絡が行くはずなので、差し替えの手続きをお願いします。お手数おかけして大変申し訳ございませんでした。








というわけで犬極道Ⅳですが、すいませんでした。

Kindleの電子書籍は作者がデータの差し替えをしても、
購入者のデータが勝手に書き換えられることは基本的にはありません。
いったん端末から削除して再ダウンロードしても、
お買い上げになった段階の旧データが再び入ってしまいます。

新しいデータとの差し替えにはいくつか手順がありますので、
どういう形になるか決まり次第、お知らせいたします。

本当に申し訳ございません。



毎週配信ならず





Kindleでの今週の配信は先日の野郎フェスで発表した
『犬極道Ⅳ』のつもりだったんですが、
配信しはじめてからデータに不具合があることがわかり、
急遽、販売中止としました。

挿絵入りのデータを自分でつくって、
アマゾンに申請する際に使えるプレビューワーでは表示に問題なかったんですけど……。
iPadでは大丈夫な感じなんですが、Androidスマホでは
挿絵が表示されたり消えてしまったり。

今度のことでようやくですが、
自作のデータを直接AndroidスマホやipadのKindleアプリに入れる方法を学んだので、
それで確認してから申請し直すことにします。

で、『犬極道Ⅳ』、配信がはじまってすぐに販売中止にしたのですが、
その間にお二人ほどお買い上げくださった方がいると確認できております。

ちゃんとしたデータに差し替えて販売再開できた際には、
アマゾンの作品販売ページ、このブログ、ツイッターにてご報告させていただきます。
たいへん申し訳ありません。
また、配信直後にお買い上げくださってありがとうございます。








で、愚痴なんですが……、
この挿絵入りデータは一◯郎でつくったんですよ。
もう何年も前のバージョンのものではあるんですが、
そのバージョンから電子書籍形式で保存できるようになって、
それを売りにしてたから、買ったんですよね。

でも、普通に挿絵を挿入するだけで不具合が出る。
なにかコツがあるのかもしれないんですが……。

それと、僕のKindle電子書籍をなにかしらお買い上げくださった方はお気づきかもしれませんが、
挿絵のない小説だけの電子書籍データでも、なぜだかはじめのページに
「本文」とか、そんな文字が入ってしまう。
あれ、僕が入れているわけではないのです。
小説本体には支障もないからずっと放置しているのです。
すいません。


新しいバージョンの一太◯を買えば、そういう不具合は解消されているのかもしれません。
そもそも僕がなにかよけいなことをしているせいでこうなってしまうだけなのかも。

でも、それなりの額を払って買っている製品なのだから、
素人が直感で使っても不具合出ないものにしてほしかったな……。
僕がいけないのだとしたら、
それおかしなことになりますよ~、
とアシストしてくれるとか。

求めすぎかな……。



もうひとつ、アマゾンに申請する際に使える
プレビューワーはアテにしない方がいい気がします。
しかたないんでしょうね、実機でない以上……。



いっそアマゾン様がクラウドアプリ用意してくれたらいいのにな~。
ネット上でテキストと画像データを貼り付けると、
体裁を整えてくれてそのまま配信できるとか、そんな風に。
そこまで面倒見られるはずもないでしょうけど。


ちなみにワードで挿絵入りデータをつくってもらって
ワードのままアマゾンに申請する分には、
ちゃんとしたデータに変換されます。(たまたまかも?)
ワードでの申請では縦書きに対応できません、
みたいなことをアマゾン様はおっしゃっているんですが、
『BRUNO + anima』ではそのやり方で問題なかったという。

一太◯でepubやmobiにしたものを申請するとダメ。
でもワードのまんま申請するとちゃんとできる。
奇妙。


いっそワードに戻ろうかな〜、とさっき調べたら、
やっぱり高い。
365とか、割りに合わない気がする。
そもそも挿絵入りで電子書籍を出すことは滅多にないから、
そのために高いお金出すの僕みたいなドケチにはきつい……。

だって小説書くだけならメモ帳だっていいんだもん。





『立ちションリーマン ホタルの交尾⑥』と『性悪婿 小玉オサム作品集⑦』




アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。

『立ちションリーマン ホタルの交尾⑥』



   ★★★★★

「大丈夫ですか?」
 サンダルつっかけ外に出て話しかけた。四十前後のサラリーマンが一物をファスナーからはみ出させた格好で洋輔を見上げた。かなり酔っているらしくその顔は惚けている。
「きてください、汚れちゃってる」
 洋輔が腕を引くと男は素直に立ち上がった。ふらふらともたれかかってくるその体の重みにハッとした。ただの親切心で声をかけたはずなのに、酔っ払いがやさしそうな顔つきをしていて、体つきはがっしりとたくましい、そういうことを意識していた。
 家の中に連れ込んでも、男は椅子に座ることができず床にのびてしまった。レンジで蒸しタオルをつくって戻ってくると、大の字になっていびきまでかいていた。洋輔はため息をついてスラックスについた小便染みにタオルを当てた。その間も萎えた一物がファスナーから飛び出したままになっていて、半分皮をかぶったそれがどうしても目の端に入ってきてしまう。
 男の左手の薬指にはプラチナの太い指輪がはまっていた。
 すでに中年期に入った大人の男の顔、脂肪のつき始めた体つきからして、小学生の子どもが一人か二人はいそうだなと洋輔は思った。いや、中学生や高校生の息子がいてもおかしくはない雰囲気。そのくらいの貫禄はあった。
 あいたままのファスナーの中で、陰毛が小便に濡れていた。洋輔は自分に言い訳するように、口に出して言った。
「きれいにしてあげますね……」
 まだ十分あたたかいままの蒸しタオルで一物を包み込んだ。男は深々とため息を漏らした。
「うーん……」
 体は少しも動かなかった。目を覚ました様子はない。洋輔は濡れたタオルごしに一物のボリュームを感じていた。それは徐々に頭をもたげ、太くかたくなっていく。心臓がドクドクと高鳴っていた。これ以上はだめだ、と自分に言い聞かせようとした。
 しかしタオルをはぐと蒸れた男の匂いが洋輔の顔に立ち上ってきた。

   ★★★★★




 住宅街の中にあるごく普通の公園。
 家の中で煙草を吸わせてもらえない男たちがサンダルつっかけやってきてはニコチンを充填していく。
 煙草の火が強くなったり弱くなったり、よそから見ればホタルのよう……。

 連作「ホタルの交尾」シリーズの⑥。
 続き物ではなく、毎回読み切りの一話完結ですが、つながっている部分はあります。

 この第六話では、父を亡くし、入院した母の見舞いを続ける孤独なゲイ青年が主人公。
 夜、ぼんやりと台所の窓から外を見ていると、公園の前で酔っ払いの中年男が立ち小便をはじめる。酔っ払いは小便の最中にひっくり返り、青年は心配して声をかけ世話を焼くことに……。


 こんなタイトルですが「いい話」回になります。



 ゲイ官能小説。
 書き下ろし作品。








[小玉オサム文庫] の【性悪婿】

こちらはデジケット様にて配信はじまりました。


『性悪婿』『性悪婿2』『性悪婿3』『性悪舅』の四本を収録。



『性悪婿』


★ ★ ★

透きガラスごしに、脱衣場に人の影が見えた。体の大きさからして、一目で婿だということがわかった。
「おい、今、入ってるぞ」
「お義父さん、背中流しますよ」
快活でさわやかな、男らしい声だった。日曜の朝の楽しみを邪魔されるのは困ったが、無下に断ることもできなかった。
「気をつかわんでいいよ」
「俺も入りたいんです。裸の付き合い、させてください」
脱衣場の扉を開いて入ってきた彼の体を見て、私は少なからず驚いた。服を着た上から見ても、がっちりとたくましい体をしているのはわかっていたが、こうして裸を見ると、それどころではない。体操選手か水泳の選手かと見まごうばかりの筋肉質で、男の私から見てもため息が出るほどバランスがとれて美しいのだ。年のせいにするのも卑怯かもしれないが、私は五十を過ぎていて、年なりに贅肉をためこんだ体だ。背は彼とほとんどかわらないのに、腹は出ているし、腕や足が太いのも贅肉のおかげという有様で、同じ男としては、彼のような男を前にすると恥じ入るばかりだった。
「君は、いい体しとるなあ。いったいいつ鍛えてるんだい?」
「たいしたことはしてないですよ。ちょこちょこっと暇な時にしてるだけで」
彼は笑って首を振り、シャワーをひねって湯を出すと、タオルを濡らして石けんを塗りたくった。ひとつしかない風呂椅子を前にして、スノコの上に片膝をつき、私を見た。
「どうぞ、お義父さん」
「じゃあ、たのもうか」
せっかくだから、と湯船を出て風呂椅子に腰掛けた。熱く湿った石けんの泡が、張り付くようにうなじをこすった。
「うん、気持ちがいいよ……」
「お義父さんは毛深いんですね」
「ん」
「背中まで毛が生えてる」
「うん、若い頃は恥ずかしくってなあ。今も人前で裸になる時は考えるよ」
「男らしくていいじゃないですか。俺は憧れますよ」
「まさか、君みたいな若いモンが」
「いや、ほんとに。こうして石けんで濡れると、泡にうねってはりついて、よけいにいやらしい」
「え、なんだって?」
よく聞き取れなかった。だが、彼は答えずに腰の辺りまでこすってくれた。うちの風呂椅子はスノコでできた小さなもので、私の尻だとはみ出してしまう。そのはみ出た尻まで彼は拭いてくれた。だが、たしかに石けんのヌメリはついていたが、尻に触れたその感触はタオルではなかった。それが尻の下にまで入り込み、なにかをした時、とっさにはなにをされたのかわからなかった。
「あっ、なっ、なにを……」
「ここは使ったこと、あるんですかお義父さん?」

★ ★ ★


一人娘の結婚相手はさわやかでたのもしい青年。二世帯同居生活がはじまり、後は孫ができるのを待つばかりと思っていた中年主人公にのびる魔の手。

舅と婿の禁断の関係がはじまる。

SM風味が強いです。オヤジ受け。

初出『ジーメン』。(『SM-Z』だったかもしれません)


元は読み切りのつもりでしたが、その後、第二弾と第三弾と続きました。





『性悪舅』


★ ★ ★

「本当に感じやすくなったなあ。この調子ならもっと太いのもすぐに入るようになるな」
義父がなんの話をしているのか、不思議とすぐに想像がついた。僕は鳥肌をたてた。
「なんで、こんなこと、はっ、はっ、あーっ、触るな、やめて!」
義父の手がスラックスの上からごりごりと僕のそれをもみしだいた。僕はずっと勃ったままだった。そのうえ、それはすぐにのぼりつめるほどかたくなっていた。
「あっ、出ちゃう、お義父さん、お義父さん!」
僕は叫んでいた。その間、義父はうれしそうに笑って僕の目を覗き込んでいた。僕が快感の余韻に歯を食いしばっていると、顔をつかんでキスしてきた。僕はなぜだかせつなくて、自分から義父の舌を吸っていた。

★ ★ ★



若い新婚夫婦はマンションに暮らしているが、お産をひかえて妻の実家に戻ることに。そこで舅に襲われ、手込めにされてしまう主人公。娘婿に対する異常なほどの義父の執着心が描かれる。


『性悪婿』シリーズのスピンオフ作品。

初出『Super SM-Z』。


すでにKindleでは配信済みのものとなります。








唐突ですが犬たち最近出てこなかった気がするので今、撮りました。






前は旅行から帰ってくると犬二匹とも大喜びで飛びついてきたり、
しばらくへばりついてトイレに行くのも心配してつけてきたんですが、
年をとってそう気にしなくなったのか、喜ぶのも瞬間的で、
オヤツをもらうともう通常営業状態に。

楽でいいけど、ちょっとさびしいような気もします。



『みがわり』




アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『みがわり』




   ★★★★★

 結局、断り切れずに学生だけで飲みに行くことになった。総勢十数名いたから、大学そばの店にはとても入りきれない。だから町まで出て大型のチェーン店を探した。やはり学生だけだとみなハメをはずす。俺は気をつけるつもりでいた。だが飲みながら、何度も音白が耳元で訴えるのだ。
 子どもの頃から先輩のこと、好きだったんですよ。
 先輩が大学に行っちゃった時は本当にさびしかった。あの町で取り残されて。だから必死に勉強したんです、先輩と同じ大学にこられるように。
 この気持ちに嘘はないんです。先輩をすごく想ってる。だから先輩と奥さんの仲を裂くつもりはぜんぜんないんだ。ただ、少しだけ先輩をたすけてあげたいって思ってるだけなんだ。
 先輩は少しも僕のこと考えなくていいんですよ。ただ僕に面倒なことを押しつけてくれればいいんです。それだけで僕、幸せなんです。
 繰り返し、繰り返し、耳元で囁かれた。その間も他の連中とのやりとりは続いていたのだ。ごく普通に、大学だとか、就職だとかの話をしている間、間に、音白の囁きが続く、誘惑が続く。
 俺は頭がどうかしそうで、酒を飲んだ。酔いが回ると、妻や、教授のことが頭に浮かんできた。みづえのひんやりした手。熱くなったところに触れたのに、また離れていく。かと思うと、自分が音白の熱いところに手を触れた、あの感触がよみがえる。
 俺は違うんです、教授。
 少しも違わないさ。怖がる必要はない。ただ楽しめばいいのさ。
 現実にはかわしていない会話が頭の中で巡っていた。そして気がつくと飲み会はお開きになっていて、俺は音白に手を引かれ、夜の町を歩いていた。着いたのは、音白の借りているマンションだった。


 完全に酔っていた。音白の部屋がぐるぐる回って見える。ベッドに寝かされて、俺は抗議した。
「ソファでいいぞ、俺は」
「二人で寝ればいいんですよ」
「やめてくれ、ほんとに、やめてくれ……」
「反対の意味で言ってるんですよね、先輩? でなかったら、こんなに酔ったりしない。先輩はいつもきちんとしてる人なんだから」
 そうなのかもしれないとは思った。こうでもしないと素直になれないから? そう思いついて、ぎょっとした。だけど体は動かない。そして意識はますます朦朧としてくる。
「たいしたことじゃないですよ先輩。奥さんのかわりに、僕がちょっと相手をするだけじゃないですか。男同士なんだから、これは浮気にならないんだ」
「でも、う……」
「オナニーをちょっと手伝うだけなんだ。そう思えばいいんです。元は奥さんがちゃんと妻の役目を果たさないからいけないわけだから、先輩が気にする必要ないですよ」
 音白の手が俺のそこに触れていた。ズボンの上からだが、とても熱く感じられる。妻の手とは正反対だった。あのひんやりとした小さな手とはまるで違う感触。音白は俺と比べたらずっと小柄だけど、その手はやはり男の手。すらっとしたきれいな指だが、大きさは男のそれだ。そしてこの熱。軽くそえられているだけだというのに、俺まで熱くする。
「はなせ、たのむ」
「せっかく大きくなってきたのに?」
「く……」
 意志の力では押さえきれなかった。俺はそこを熱くしつつあった。音白の指がそれを撫でた。根本をつかまれると、体が震えてしまった。
 みづえのやり方と違う。
 もう数ヶ月、妻とは関係がなかった。だが子どもが生まれるまでは互いに求め合った仲なのだ。だからどうしたって比べてしまう。みづえの小さな手に導かれた時と、音白の男の手で快楽を引き出されるのとでは、こんなにも……。
「たのむ、みづえのことは言わないでくれ」
 俺は快楽の吐息を漏らしながら、小さな声で呻いた。妻のことばかり考えているのは俺の方なのに、音白には俺の頭の中が見えているのか。音白はうなずいて、俺の顔に手をそえ、俺より小さな声で囁いた。
「もっと集中したいってことですか?」
「あ、」
「僕と二人きりだってことに、もっと夢中になりたい?」
 音白の唇が俺の唇に重なった。そして熱くてヌメッた音白の舌が口の中に入り込んでくる。
 なんで、俺、男とキスしてるんだろう?
 なんだか頭がぼうっとしていた。体が熱いのだ。
「暑いでしょう? 汗かいてる、先輩」
「だめだ、これ以上、よしてくれ」
「またキスされたいってことですか?」
「んっ……」
 音白の舌は柔らかかった。それはみづえの舌よりもなめらかで、熱くて、俺をクラクラさせた。音白はリモコンで暖房を強くした。そして俺の服を脱がしていく。俺は何度も、やめてくれと言った。だがその声はどんどん小さくなっていき、やがて口の中で消えた。
「見ないでくれ……」
「隠しちゃだめですよ。男同士なんだから」
「あ」
「先輩の体、大きくてたくましいな。それにここ、やらしい形してますね」
「だめだそんな、口でなんか……、う」

   ★★★★★




 海辺の大学村に暮らす若い学者の夫婦。
 天才と呼ばれる美しい妻とかわいい子どもがありながら、主人公は後輩に誘惑され、男同士の味を知る。
 罪悪感に苦しみながら、後輩を想う気持ちも、妻子を愛する気持ちも捨てられず、不倫の関係を続けていく……。


 BL風味のせつない長編(原稿用紙にして218枚)。

 ダメ男もの(大柄な若パパ)。 



 他電子書籍サイトにて書き下ろしとして発表した作品となります。
 タイトルはもしかしたら『みがわり』と違っていたかもしれません。
 名義もおそらくは大門秀子だったと思いますが、また別の名前だったかも。
 万が一にも重複してお買い上げされることのないように、上の抜き書きやサンプルをご確認くださいますよう、よろしくお願いいたします。(そのサイトはすでに閉鎖されています。書類なども処分済みのため確認とれませんでした)















数日前から旅行してます。
いつものことだけど、だらだらするだけの一人旅。
出歩くにしても、買い物くらい……。

前からくるたびに、行こう行こうと思っている美術館があるんですが、
去年は行く途中でバスが祭日の交通規制に引っかかり、乗ったところに戻されて、
やる気をなくして断念。

今回も調べたら、ラマダン明けの祝日(ハリラヤ? よくわからない)で、
数日休みと判明。
それでも帰国便の前日には再開するので、行けるかどうか。

明日はドリアンのソフトクリームを食べに行く予定。
なくなってなければいいけど。
昨日、去年来た時に美味しかったドリアンクリームパンを買いに行ったら、
そのパン屋のあった区画がまるごと閉店していた。

今回はそういうことが多い。

素敵なショッピングモールに行ってセール品をあさろうとしたのに、
前にあった店がなくなっていたりが数軒。
まあ、世界中にあるカジュアルブランドとかなんだけど、
旅先でないと財布の紐がきつくて買い物できないし、
そもそも日本にいると出かけない。
船橋の誇りららぽーとが歩いても行けるとこにあるのに、
行かないんだよね、まったく……。

しかし買い物ももうしたので、
明日からはあまりすることもない。
なのでソフトクリームを食べに行くのが唯一の予定です。
ドリアンソフトクリーム、楽しみだな~。



ちなみに補足すると、一度、ドリアンが好きになると、
あの独特の匂いも臭く感じなくなります。
いい匂いになる。
日本でも気軽にドリアン味のケーキとかアイスとか、
食べられる時代になるのを願っています。
こないだろうけど。


Appendix

プロフィール

osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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