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『親父』






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『親父』



   ★ ★ ★

 例の洋間で待っていると、親父さんは寝巻姿であらわれた。まだまだ蒸し暑い日がつづいていたから、ペラペラの布地でできた半袖だ。体の線がよくでていて、オレはあらためて親父さんの体格のよさに気がついた。
「先にシャワーくらい浴びた方がよかないか? 俺、汗臭いよ」
「どうせ後でまた入ることになりますから、いいですよ。オレは気にしませんから」
「そうかい? じゃあ、いいか」
 まず、親父さんにソファのふちに腰掛けてもらった。肩から胸板にかけて、両手の平を密着させてこするように撫でていく。前を三回やったら今度は肩から背、腰まで、やはり手のひらを密着させて撫ぜる。これだけで相当体はあったまるはずだ。オレは撫ぜながら、そっと親父さんの肩に顔を寄せた。首筋から男の汗の匂いが立ち昇っている。その匂いを嗅いだだけで、オレは勃起してしまった。
「ああ、気持ちがいい。撫ぜられるだけでも、けっこういいなあ」
「ありがとうございます」
 次は、いわゆる肩揉みだ。親指の腹をつかって、グイッグイッとつぼを押していく。
「痛くないですか?」
「痛いけど、気持ちがいい。痛気持ちいというか、いい具合だよ、ああ、おお……」
 次はソファにうつぶせに横たわってもらい、やはり肩から順々に揉みほぐしていく。体温があがっているらしく、寝巻が汗で湿ってきた。首筋も赤くなっている。片手で揉みながら、もう片方の手は親父さんの肉の感触を味わうべく、何気なく場所を移動させていく。本当にがっしりした体してる……。
「おっ、おっ、そこそこ、そこがつぼなんだな、きくなあ……」
 今、オレはこの中年男をよがらせている。そう思うと、征服欲が満たされていくようで、さらに興奮してきた。実のところ、こういうのがやりたいがために、あんまの学校に入ったのだ。けれど、毎度、ビンビンにさせてちゃこっちの体がもたないなあ。そんなバカなことを思いながら、手は尻までおりてきた。オレは親父さんのうめき声を聞きたいがために、少し強めにつぼを押した。
「くっ、あっ、すごい、すごいな、もっと下、もっと下をやってくれ」
 オレは言われたとおり、指を尻の割れ目へと近づけていった。つぼのあるぎりぎり下まで押していき、最後に、ちょっといたずらしてやろうと、さっと一瞬だけ、尻の穴を撫でてやった。
「う!」
 思っていた以上に親父さんが大きな声を出したので、オレは焦った。でも、下手にあやまるわけにもいかない。しらんふりして、足を揉んでいこうと手を動かすと、親父さんは低いかすれた声で言った。
「今の、もう一度やってくれないか?」
「え?」
「つぼなんだろ、そこ?」
 見ると、親父さんは首だけでなく、耳まで真っ赤にしている。オレはおそるおそる、尻のつぼをもう一度押していった。
「ここですか?」
「いや、もっと下だよ」
「ここ?」
「もっと下だ」
 オレは手を止めた。指はもう肛門のすぐ近くだ。
「その下だよ、たのむ。やさしくやってくれ」

   ★ ★ ★





 高校卒業後、按摩師になるべく専門学校に通っている主人公。
 中学時代から続いている親友の家に遊びに行くと、その親父さんから、体を揉んでくれないか?とたのまれて……。

 ゲイ官能小説。読み切り。

 初出『ジーメン』。
 小玉オサムの『ジーメン』デビュー作(だったはず) です。






たしかこれがデビュー作だった記憶……、
ですが、もし違っていたらごめんなさい。

小玉オサムとして小説をのせてもらった最初が
『さぶ』だったのは間違いないんですが、
その後はどういう順番でどの雑誌にのせてもらったのか、
はっきりしない。

『バディ』さまにのせてもらったのが『ジーメン』の後だったのは
たしか。

当時、『ジーメン』の初代編集長に
「今度『バディ』にも使ってもらえることになりました」
と報告したら、
「あそこは原稿料が~円よ」
「あ、そうなんですか」
「だって原稿料決めたの私だから」
という会話をしたの記憶にある。

しかし『サムソン』さまに原稿送ったのがその前だったか
後だったか……。

『薔薇族』はかなり後だったはずだけど、
『豊満』とどっちが先かは……。


ちなみに名前も覚えてないけど、
ネットマガジンみたいなものに原稿書いたことあったんですよね。
あれ、ほんとに掲載されたのかも定かでない。

当時、最大手?らしかった、
ゲイの出会い系サイトだったかを運営されていた方が発起人だったかで、
その人と『薔薇族』の担当さまが親しくされていて、
その紹介で書いたはずなのに、
原稿料ももらえず立ち消えた。

ネットマガジンだったので、
小説の途中で選択肢が出てきて、
それによってお話の展開が変わっていく、という
やつを書かされたんですよ。
当然、選択肢ごとにちがうパートを書かなくちゃいけなくて、
手間がかかったような……。

あれ、読んでくれた人、いたんだろうか……。








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コメント

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[C75] Re: タイトルなし

よく気がつかれましたね!
今週のブログでおしらせしようと考えていました。
十数年ぶりに読み返したら、続きが思いついて書きたくなりました。
続きは2,3まであります。
ご期待にそえる内容になっているかわかりませんが、楽しんでいただけたらうれしいです。
ご提案ありがとうございました。
  • 2016-12-18 10:49
  • osamukodama
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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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