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『不倫同士②』と最近の趣味活動









アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。



『不倫同士②』


   ★ ★ ★

 吉尾さんは信じられないとでも言いたげに顔をしかめて、横に座る蒲池さんを見た。俺は二人のやりとりに笑ってしまった。
「いいコンビですよ、お二人は」
 本心からの言葉だった。愉快な気持ちになっていた。しかしまだ顔が笑っている間から、心の中では、だから惹かれ合ったのか?と考え込んでいた。吉尾さんと俺は、どちらかと言えば二人とも内向きで、考え込むタイプだ。他人との距離の持ち方なんかも似ているだろう。吉尾さんからすれば、蒲池さんとは正反対のタイプの男ということになる。蒲池さんが立ち上がり、オーブンから料理を運んできた。それを取り分けてくれようとしている時にチャイムが鳴った。
「寛太だ」
 俺が言うと、蒲池さんが玄関に行ってくれた。俺は衝動的にテーブルの上に身を乗り出して、吉尾さんの唇を吸った。吉尾さんは驚いていたが、煙草臭い舌はぬるぬると絡みついてくる。ギリギリのタイミングで口をはなし、俺はビールグラスを手に取った。吉尾さんは唾を気にしたのか、口の端を指先で拭った。
 そこに寛太と蒲池さんが入ってきた。
「遅くなりました」
 寛太は笑顔で吉尾さんに頭を下げている。吉尾さんはちょっとだけ戸惑った表情を浮かべている。なのに俺の方はなんにも感じていない。不思議なくらい、気持ちが動いていなかった。それどころか、寛太ににっこり笑いかけていた。
 まるで平気なのだ。まったく罪の意識というものがない。スリルさえ感じていない。
 俺にはなんでもできるのだ、と自分に言い聞かせていた。たった今、不倫相手とキスを交わした後でも、こうして寛太に笑いかけることができる。余裕を感じているというわけではなかった。強気にもなっていない。むしろ自分をおそれていた。まるで感情や気持ちというものがなくなってしまったような感覚があったのだ。まるで自分が人間ではないものになってしまっているような、そんな錯覚を覚えていた。
 まるで映画のスクリーンの中に自分と寛太が話しているところを眺めているような気がしていた。

   ★ ★ ★






男同士の不倫の関係はどこに向かうのか。

物語が大きく動く第二話(全三話)となっております。



デビュー25周年記念作品。

書き下ろし。







先週のブログ更新で紹介文のせてなかったので、
①の紹介もあらためて。








『不倫同士①』


   ★ ★ ★

「んっ……、う」
 キスしてきながら、寛太は俺のケツを撫で回し、谷間に指をすべらせてくる。そのごつい指先で肛門を探られると、俺は反射的に体を震わせてしまう。それを面白がっているのか、寛太はいつもことに及ぶ前、しつこく俺の肛門を指先でこすりあげてくる。
 昔からこういう関係が多かった。年下の男に好かれる。年上の男と付き合ったのは一度きりだ。どちらにせよ、たいていは自分が抱かれる側になってしまう。吉尾さんだけははじめからなにかが違ったのだ。あの人は俺と同年代で、俺より体のでかい男なのに、自然と俺がリードする形になった。まだ車やトイレでしか関係を持ったことがないから、吉尾さんが後ろまで犯らせるのかよくわからない。しかしあの大男を自分が貫いたらどんな感じになるのか、と考えると興奮してくる。
「ひっ、あっ、……ゆっくりしてくれ」
 寛太が俺のスウェットを下ろし、ローションのつけた指を股の間に差し入れていた。俺は壁に手をつき、いくぶんがに股の格好になって、顔を熱くしていた。すぐ横に寛太が立って、俺の腰の辺りにかたくなったところを押しつける。俺はせつない気持ちでそれをわしづかみにする。
 今、寛太にされているようなことを、そのままあの男にしてやりたい。
 罪深いことばかり頭に浮かんでいた。吉尾さんの後ろに指を入れて、震えるところをじっくりと見てやりたいと想像していた。寛太の指にいたぶられている最中だというのに、吉尾さんのことを考えて興奮していた。

   ★ ★ ★






 長く続いた男同士のカップルが二組。
 それぞれ犬を飼い、幸せに暮らしていて、「家族ぐるみの付き合い」を続けている。
 なんの不満もない。なのに後の二人に秘密の不倫関係を持っている。
 その罪深さから、男たちの性は燃え上がって……。



 ゲイ官能小説。書き下ろし作品。全三話の一話目。




 ゲイ雑誌『さぶ』でデビューして以来、25周年を迎えました。なのでこの『不倫同士』をその記念作品とします。

 これまでありがとうございました。
 そしてこれからもよろしくお願いいたします。







唐突ですが話かわって、最近の趣味のご紹介。

ツイッターでも出したんですが、最新作の鞄。


正面。前にジム・トンプソンのアウトレットで買った絹と革で。




横から見たところ。底とマチの下側だけ革。





姉用につくりました。
前にこのブログで書きましたが、お金をずっと返してくれなかったり、
不倫したりの姉。
でも姉のこと僕はかなり好きだし、気が向いたので作製。

しかし仏用な雰囲気になっちゃったから、気に入ってくれるかどうか……。




そしてこちらは干し柿。干したところと





干しあがり。







おいしくできました。
中ねっとりで甘い。

ちなみに、柿をとるために超ロングな高枝切りハサミまで購入した。

ハサミを購入するお金で干し柿を買えばいいのでは……?
とももちろん考えましたが、
他にも、隣家の敷地にはみだしていて切らないとまずい木の枝などもあるから、まあしかたない。
というか、いい機会になった。

植木屋さん呼んで庭の木を切ってもらうのって十万とか二十万とかかかるから、
それと比べたらずっと安いしね……。



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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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