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『痴漢とおまわりさん』









アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。



『痴漢とおまわりさん』





   ★ ★ ★

 ……つまりこの男、権威に弱いということか?
 正直、助かったという思いで胸をなで下ろした。それから沸々と、この警察官はなんと情けない男なのだろうという腹立たしさのようなものが湧き起こってきた。まあ、こうして見逃してもらっておいて調子がいいが、権威に弱い男というのはどうも気にくわない。これで私が民間のサラリーマンだったら「ホモの痴漢」として人前に突き出されていたところなのだ。それにこの警察官、どう考えてもノンケのはずがない。さっき少し触れた時、たしかにこの男のアレは半勃ち状態になっていた。それは私に触られることを期待していたからに違いない。つまりこの男、仲間を売る裏切り者のようなものじゃないか?
 その時、次の電車が入ってくるとのアナウンスが聞こえてきた。我ながら大胆と思える策が頭に巡った。
「手違い、と君は言ったね?」
 私はネクタイを少しゆるめて、彼の目をジロリと睨んでやった。彼は背筋をピンと張ったまま、言葉をどもらせた。
「は、はい、そうです、手違いです」
「そうか、で、どんな手違いだったのかね? 君は私のことをなにかと間違えたわけだろう?」
「あの、それは、あのう……」
 彼は言葉に窮して口ごもった。その仕草が、こういってはなんだが男っぽく、私の気に入った。いい男だ、いじめてやりたくなるタイプだな……。
 電車がホームに入ってきた。私はわざと威圧的な態度で言った。
「この電車に一緒に乗りたまえ」
「は、はい?」
「私はこれでも法律の専門家でね。どこからどこまでが違法行為なのか、君に教えてやろう」
「し、しかし自分には職務が……」
「なにか言ったかね? 聞こえないな」
 ドアが開き、私は彼の腰に手を当てて電車に乗り込んだ。ぎっしりと人が詰まっているが、運転席側の壁に彼を押しやって移動する。
『ドアが閉まります、ご注意ください……』
 彼は少し怯えたように目を細めて、私を見た。ドアが閉まり、電車が動き出した。

   ★ ★ ★




 若い鉄道警察官に痴漢として検挙されそうになった中年主人公。
 しかし主人公が身分を明かすと警官は萎縮して思いのままになってしまう。

 痴漢とおまわりさんの逆転劇。


 読み切り短編ゲイ官能小説。
 初出『ジーメン』。







書き下ろしではなく、旧作(まだアマゾンでは配信していないもの)の場合、
次はなにを配信しようかな~、とフォルダを見ていって、
なんとなく目についたものを選ぶわけですが、
今回の『痴漢とおまわりさん』は
自分でこういうものを書いていたことを完全に忘れていた一作。
タイトルも内容も記憶にない。

初出『ジーメン』と内容紹介に書いてしまったけれど、
もしかしてジーメンのフォルダに入っていただけで、
掲載されていない可能性もあるかも……?
なんて思っていたんですが、
「この小説ジーメンから切り抜いてまだ持ってます」
とツイッターで声をかけてもらい(ありがたや)、確認とれて一安心。

なんだかんだ痴漢モノいくつも書いてたようです。






母と北海道に行ってきました。

飛行機で行って、空港でレンタカー借りてまわっていく感じで。
最後、車を返す時になって気づいたんですが、
日○レンタカーで借りたのに、車はフィ○トだった……。

レンタカー業界も複雑に業務提携しているからそうなるんですかね。

ホテルの部屋とか、飛行機の座席とかと一緒なのかな。
同じ部屋、同じ席でも、どこをどう介して取ったかで値段が変わったりポイントがついたりつかなかったり……。


最後の日に泊まったホテルというのが
その土地ではもっとも格式のあるホテルだったのですが、
食事とかサービスとかで首をひねってしまう対応がいくつも重なったので、
ついつい、口コミに書いてしまいました。
普段、口コミとかって書かない性格なんですが……。

もちろん嘘書いたり、誇張したりしたつもりはなくて、
ほんとのことだけ書いたわけですが、
書いて送った後になって、だんだん気分が落ち込んできてしまった。
その口コミを読んだホテルの人はがっかりするなりむかついたりするだろうし、
僕の口コミを参考にしてこのホテルでの宿泊をやめてしまう人もいるかもしれない。
なんてこと考えていたら、よけいなことしちゃったな……、と。

と、殊勝なことを書いてみましたが、
やっぱり考えてみると、
ちょっとこれは……という対応をされたのはこっちなのだし、
しかたないですね。

しかし我ながら性格が悪いなと思ったのは、
その口コミを書いている時は、
かなり夢中になって書き方を工夫したりなんだり、
入れ込んでしまったこと。

でも、送信ボタンを押そうとしたら、
文字数オーバーでかなりたくさん削らなくちゃならなくなって。

意地の悪いことを考えていると、
何文字までという制限のあることさえ読み逃して、
つらつらと書き連ねてしまう、
イヤな性格の自分を思い知らされてしまったのでありました。





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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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