Entries

『ろくでなし②(全三話)』







アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。



『ろくでなし②(全三話)』





   ★ ★ ★

 しかし山城はただ悪い男というわけじゃなかった。入る前と同じように、だらしないけれど、どこか魅力のある男なのだった。それがいわゆる「悪い男の魅力」というものだとしたら、始末に負えないわけだが、簡単に突き放すことはできそうになかった。
 なにしろ、山城との同棲生活は、それなりに楽しいものとなったのだ。工場で一日働いて疲れた体でも、自分のためだけじゃない、男のために作っていると思うと、料理のしがいもあった。山城は枝口さんと違って、出したのもはなんでももりもりと食べた。うまいうまいと言って。それも当然なのだ。少年院で三年以上閉じこめられていたのだから、何を食ってもうまいと感じるのが自然。それでも、作った側としてはうれしいものだった。
 それに……、当たり前の話だが、毎晩、隣同士眠ることになるのだ。無防備な寝顔を見ていれば、どうしたって恋のような感情も芽生えてくる。なにしろ初恋の相手なのだから。
 布団からごっつい手がはみだしている時があった。おれはそれをそっと握った。すると山城は握りかえしてきた。てっきり眠っていると思っていたから、びっくりした。
「……家賃みたいなもんだな」
 寝言のように山城はつぶやいた。そんな風に言われれば、一瞬、腹が立つが、こうなると、悪い男に引っかかる女が多い理由もよくわかってくる。なにしろ朝起きるまで、山城はおれの手を振り払ったりしないのだ。ずっとおれの好きにさせてくれる。山城が求めてこない時でも、おれが山城の一物に触れると、何も言わずしゃぶらせてくれた。乱暴で嫌な奴でも、悪い男というのは、やさしい時には徹底してやさしい。だから離れられなくなる……。

   ★ ★ ★




 少年院から出て外の世界で働き出した青年。
 罪を償い、気持ちを切り替えて真面目にやっていこうとするのに、過去が追いかけてくる……。

 ゲイの不良少年が大人になり、やがて成功をつかむ長編小説の第二話。

 初出『ジーメン』。
















先日、ようやく相続税の申告が終わりました。
父が死んでしまったのが一月の終わりで、
それからいろいろな手続きがあって、
最後に相続税のことが残ってて、
いろいろ悩んだあげく、
ほとんど自分で書類をつくって提出しました。

うちは母がすべて相続することにしたので、
普通に申告すれば相続税がかからないことはわかっていたのです。
それでも、税理士にやってもらうと百万はかかる……。
たとえば税理士の腕次第で相続税の支払額が何百万も変わってくる、
なんて事情ならば、はじめから素直に税理士にたのむわけですが、
相続税はかからないとわかっているのに、
書類づくりで百万以上か……、
と思うとケチ心が働いて。

知り合いにも相談してたすけてもらったりなんだりはあったのですが、
(土地の実測図は自分じゃつくれないからたのんだ)
具体的な書類集めとかいろいろは結局はほとんど自分で。

で、やってみて、百万とられるの納得しました……。
そのくらいもらわないとできないですね、あれじゃ。


まー、めんどくさいし、とにかくわかりづらい。

単に、専門用語が使われている、というだけならば、
ネットで検索すればいいわけですが、
申告書の書式といい、
それを解説する冊子といい、
日本語が不自由な人が作ったのかな……?
としか思えないくらい、
説明が下手。


検索して調べても、
ずばりうちと同じ条件の例はなかなか出てこないし、
申告書の書き方みたいな本は結局買わずに済ませてしまったので、
体系的に学ぶこともできず。
(そこまでするのがどうしてもめんどくさくてイヤだった)


一番わかりづらかったのは、
取引相場のない株式の評価のための書類づくり、
だったかな……。

会社によって株式の数とか出資金の額とか違うわけですが、
それを統一して計算するために
一株が五十円だったら何株になるかを計算したり、
類似業種の株価と比べたりなんだり……。
いろいろめんどくさい計算があるんですよ。

はじめは、なんで五十円という数字が出てくるのか理解できなくて、
そこで頭抱えて、
「もうイヤだ、百万かかってもいいから税理士に丸投げしたい!」
となったのですが、
しかしケチ心が勝り、
検索したり書き方の冊子を熟読したりなんだりして、
まあ、わかってみると、そう複雑な話でもなく、
要は、「どうしてこういう計算をするのか」
という説明が抜けちゃってるせいなんですね。

あの手の説明冊子をつくっている人というのは、
当然ながら、税理のことを知り尽くしているプロなわけですよね。
なんでもそうでしょうが、やはりプロの人というのは、
自分の知識がみんなの常識みたいに考えてしまいがちのようで、
そもそもの説明が足らないことになるみたい……。


いやそれとも、僕が見逃しているだけで、
ちゃんと書いてあるのかもしれませんけど……。

年をとったせいか、興味のない事柄に対しては、
頭も働かないし、理解力が極端に落ちるので、
目は字面を追っていても、
まるで頭に入ってこないのかも?



でもまあ、なんとかなりました。


会社の決算書を三期分コピーしたものまで添付しなくちゃだったので、
申告書、その他の添付書類などあわせると、
三センチか四センチくらいの厚みに。

税理士にチェックしてもらうとかまったくしなかったので、
どこか間違ってたりして、
後から税務署に呼び出されるかもですが、
どういう計算をしても、まず相続税がかかることはないはずなので、
とにかく終わった、感は強いです。



長かったなあ。



結局、半年かかった……。










スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR