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『トラック野郎 兄貴のとろまん』




 左にウインカーを出してパーキングエリアにトラックを乗り入れた。
「次んとこの方が広いスよ?」
 案の定、建吾の奴が口を挟んできた。
「文句あんのかよ」
「いえ、そういう意味じゃないスけど」
 たしかに予定では次の広いサービスエリアで休憩のはずだった。俺は運転席から外に飛び降りながら建吾の顔を見ずに言い返した。
「腹の調子が悪いんだよ」
 便所と小さな売店しかない狭いPAだった。もう二十分走るとでかいSAがあるせいか人気がないところだ。俺はまっすぐ便所に入っていった。小便器の前に二人並んでいるが、個室の方はほとんど空いている。それでも一番奥の閉まってるドアをノックした。中から鍵の開く音がしてスッとドアが開き、紺のスーツ姿の三十男が俺を招き入れた。
 荷積みしている間にネットで見つけた兄貴だった。写真で見るかぎりなかなか男っぽい顔してガタイもよさそうだったし、ケツが感じると書いてあったから即決したのだ。狭い個室の中で間近に向かい合うと、実物もなかなかで悪くない。ジロジロ見てやると困ったような顔つきをした。だから引き寄せてキスしてやった。
「んっ……」
 受けの兄貴ってのはだいたいこっちがリードしてキスしてやればそれでもうスイッチが入るんだよな。キスされるとケツがゆるんで疼いてくるって話してた兄貴もいたし。
 外から人の足音がひっきりなしに聞こえていた。だから言葉は使わず身振りで後ろを向かせて準備させた。兄貴がスラックスおろしている間にこっちはコンドームをつけた。でかいケツの間に指をすべらせて穴を探るとヌルリとして簡単に中に入っていく。ローションが仕込まれていて、準備万端あったまってるらしい。今時の三十代兄貴の受けはみんな用意周到なのか。
 にしても、よくほぐれたケツの穴ってのは指入れてるだけでうっとりしちまう。どうして男の体なのにこんなに気持ちのいいやわらかい穴があいてるんだろうか。神様は男と女をつくったけど、こっちもいいぞ~と具合のいい穴をもうひとつ開けておいてくれたということか。

   (『トラック野郎 兄貴のとろまん』より抜粋)





数日前に発売したばかりの
ゲイ雑誌『バディ』七月号に僕の小説がのってます。

タイトルは『トラック野郎 兄貴のとろまん』

内容はタイトルのとおり。
上のさわりを読めばまんまとわかるはず。

挿絵は龍谷尚樹先生。

そう、たまたまですが、『犬極道Ⅱ』と同じ組み合わせでした。
野郎フェスの前の日まで気づいてなかった……。
(小説の挿絵はどこの雑誌でも編集者さまが考えてつけていて普通は事前の連絡とかない)


お世話になりっぱなし。
龍谷先生ありがとうございます。



というわけでぜひとも『バディ』をお買い上げいただいて
読んでいただけたら。




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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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