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『陸士たち③』









アマゾンKindleストアにて配信始まりました。



『陸士たち③』


   ★ ★ ★


「林田さん」
 訓練棟に入ったところで、俺は林田に追いついた。林田は俺の声にビクッと体を震わせて、振り返った。
「な、なんだ、小島か。どうした?」
「ちょっと用足しで。林田さんも連れション行きましょうよ」
 俺は林田の脇をすり抜けた。その時、林田の尻をさっと撫で上げてやる。カツカツと早足で廊下を歩くと、後ろから林田の足音がついてきた。俺はニヤッと笑って、便所に入った。
 この時間になると、訓練棟の便所には誰もこない。俺はまず小便器の前に立ち、本当に小便をした。林田の足音が便所に入ってきたのを聞いて、振り向きもせずに「命令」してやる。
「先に入ってろよ」
「あ、ああ」
 俺は小便の滴を切って振り返った。個室の中から、林田がそのごつい体を小さくして、上目使いに俺を見つめていた。
 林田を「使う」ようになって一ヶ月が経っていた。浜野と二人でレイ◯して以来、林田はいつでも俺の言う通りになった。脅迫したと言えばそうなのだが、犯った犯られたはお互いさまなのだから、拒否されてもどうしようもなかった。だが、林田はむしろ進んで俺の言いなりになっていた。
「いいぞ、舐めろ」


   ★ ★ ★


若い新米自衛官の青春ストーリー。

男前自衛官の小島二士を中心に、男同士の恋と苦悩、そして自衛官のありあまる精力の行く末が描かれる。

四人の若い陸士(陸上自衛隊員)たちと一人の陸曹が出てきます。

二十年ほど前に書いた四回連載小説の第三話。

初出『ジーメン』。







DLサイトでは全話まとめたバージョンが売られています。







急に思い出したんですが、船橋には昔、
「お姫様」と呼ばれる中高年の売春婦がいたんです。

うちの親がやっていた居酒屋的なお店にも
何人か、お客さんとしてたまにきてくれていた。
母親によると気前のいい客ではなかったらしいけど。

見た目からすると、相当に安い料金じゃないと
売れないだろうという雰囲気だった。
なのに、なぜだか「お姫様」と呼ばれていた。

「お姫様」というのはある一人の売春婦を指したあだ名などではなく、
中高年の売春婦全般を指して「お姫様」と船橋では呼ばれていた。

誰が言い出したのかわからないけど、
気が利いた呼び名。
それとも自分たちで名乗ったのか。

どこで客にサービスをしていたのか、
父や母に聞いてもよく知らないと言っていた。
まあ、わざわざ聞かないか、そんなこと。

たぶん、裏道の神社の暗がりとか、公衆便所とか、
その手の場所で手早いサービスを提供していたんだろうなと思う。



あのおばさん(おばあさん)たち、
今頃どうしているのだろう。

まだ夜の町に立っているのだろうか。




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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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