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『嗅ぐ極道』








アマゾンKindleストアにて配信始まりました。



『嗅ぐ極道』

   ♦ ♦ ♦

「俺は、はあっ、はっ、変態なんかじゃねえ」
 必死でイメージを振り払おうとした。さっきの小さな上履きに持ち替えようと考えた。なのに目をつぶれば、顔を踏まれたあの感覚が何度もよみがえってくる。追いすがっているのだ、自分で。俺はとうとう上り詰めた。男物の上履きの匂いを嗅ぎ、油臭い味を舌先に覚えながら。
「うっ、くっ、ん……」
 声をこらえて腹の上に飛ばした。もう一度思い切り匂いを吸い込むと、なぜかそれが血の臭いに感じられた。その瞬間、島崎の、刺青の映える鍛えられた肉体がまぶたの裏にはっきりと見えた。男の肉体に飛び散る◯ー◯ンと血。耳元で組長が囁いていた。
 てめえ、◯ててんな?
 快感の余韻から冷めたとたん、俺は叫び出しそうになった。まだ鼻息を荒くしたまま上履きを放り出し、頭を抱え込んで床に突っ伏した。自分が怖かった。

   ♦ ♦ ♦


 今や高畠組のナンバー2としておそれられている沢渡だが、十年前、敵対する極道にヤキを入れられた時のトラウマを引きずっている。
 殴られ、顔を踏まれたその屈辱と、男の足の臭いとが沢渡の記憶に刻まれて……。

 極道シリーズの原点となります。
『穴極道』B00H93BSWA
『犬極道』B013RF2G2Y
 この二つの書き下ろし作品の、前段階のお話です。

 物語の順序としてはこの『嗅ぐ極道』が最初となっていますが、どの作品をどの順番で読んでもそれほど問題はないと思います。

 四百字詰め原稿用紙にして百枚をこえるボリュームがあります。

 初出『Super SM-Z』






ツイッターでは予告したんですが、
今月からは毎週、新規配信する予定でいます。
(といっても書き下ろしは月に二本)

その第一弾が『嗅ぐ極道』。

なぜ第一弾をフェチ小説にしたのか……。


以前からこの『嗅ぐ極道』、
アマゾンで配信しないのかというお声をいただいておったので、

というのと、

Kindleで書き下ろししている

『穴極道』
『犬極道』

この二つの小説の元となった原点的小説なので、
はやいところ配信しておきたかったのです。


それと、実は五月に開催される野郎フェスというイベントで
『犬極道Ⅱ』
の同人誌が出ることにもなっていまして……。

(こちらについてはあらためて告知します)



前にも書いたと思いますが、
そもそもこの『嗅ぐ極道』を読んでくれたある方が
『嗅ぐ極道』に登場する「島崎」というキャラクターを
気に入ってくだすって、
続編は書かないのかと言ってくれて
書き下ろしたのが『穴極道』でした。

と言っても、読んでくれた方はおわかりのとおり、
『穴極道』において「島崎」は脇役。

もちろん『穴極道』も喜んではくれたのですが、
「島崎が中心の話がやっぱり読みたい」と言われて
書いたのが『犬極道』。

そして島崎と島崎を飼うことになった野田の
愛が試される『犬極道Ⅱ』へと続いていきます。


というわけで、極道シリーズの原点となった
『嗅ぐ極道』。

よかったらどうぞ。





そして予告。

今週の新規配信は『寿司屋の大将② 俺の息子』の予定でいます。
そちらもよろしくどうぞ。
また配信がはじまったらこのブログでも告知します





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コメント

[C41] ありがとうございます

お待ちしておりました
(^^)v

[C42] Re: ありがとうございます

こちらこそです。長い間お待たせして、しかもバックナンバーまで。
ありがとうございます!
今後もどうぞよろしくお願いします。
  • 2016-03-10 00:04
  • osamukodama
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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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