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『探偵物語3前編(全三回)』







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『探偵物語3前編(全三回)』


★★★★★

 俺は席を立って台所として使っているスペースに行き、鍋からいろいろとおかずを皿に盛ってやった。みそ汁は温めてやるか、と火にかけて煙草をくわえたところで、テーブルの二人に目をやった。洋一と島尾はなにやらぼそぼそと小声でしゃべっていた。それから、どうも意味深な目つきで視線を交わしあって、くすくすと笑い出した。洋一はニヤニヤと笑っているし、島尾もニコニコと笑って返す。なんとなく二人の意味しているところがわかった気がした。俺は顔を熱くしてみそ汁をよそい、島尾の前においてやった。ますます洋一が誤解するだろが、と目で訴えたが、もちろん口には出せない。そんなこと言い出したら島尾が怒り出すのは目に見えている。
「じゃあ父さん、僕、学校に行くから」
「おう、行ってこい。今日はうちに帰るんだろ」
「うん。じゃあね。夕べは楽しかったよ」
 洋一が出ていくと島尾が聞いてきた。
「夕べは何したんですか?」
「いつもと同じさ。ボクシング見に行ってきた」
「それだけですか?」
 もしかしたら、カジノにいたのを制服警官に見られていたのかもしれない。俺は肩をすくめてとぼけてやった。
「洋一君、いきなり帰ってきたりしないスよね?」
「忘れ物する奴じゃないからな」
「そういうことじゃなくて、」
 島尾の手が俺の膝頭に吸い付くように触れた。
「わざと忘れ物したフリなんてしないスよね」
「そんなことするか。あいつも気を遣ってるみたいだからな」
「へえ、彼も大人の事情がわかってきたんですね」
 そう言いながら島尾が顔を寄せてきた。俺はもちろんかまえたが、逆らうことはしない。
「んっ」
「先輩、好きですよ、んん」
「んっ、んはっ、おい、メシ食いにきたんだろ」
「それは後にしますよ。今は先輩を食いたい気分なんです」
「おい、なあ、……う」

★★★★★



 元警官でありながら博打に目がない探偵の後藤。
 妻には離婚され、息子とも引き離されてしまった。
 若い頃は正義感の強い警察官だったのに、中年になった今は売れない探偵稼業。
 たまに入ってくる依頼も浮気調査ばかりで……。

 満たされない思いを抱える中年探偵の事件簿。

 元相棒のイケメン刑事とのバディもの。

 第一弾では年下の元相棒に関係を迫られ、第二弾では男同士のその現場を実の息子に見られてしまった後藤だったが、この第三弾では……。


 ゲイ官能小説。
 初出『ジーメン』。








 前にも書いたと思いますが、この『探偵物語3』には『弁護士 隈吉源三』シリーズの隈吉がゲストとして登場します。

 たしかそのはず……、と前編を読み返していったのに、出てこない。

 まさか記憶違いで、本当は出てこなかったのかな……?と自分自身を怪しんでいたら、中編に出てくることが判明しました。(このブログを書いている時点では中編までしか読み返していない)

 で、申し訳ないんですが、正直、この3に関してはどうもまとまりがない展開というか、書いた本人として不満を感じています。
 読み返していくのがきつい。

 新キャラがけっこうたくさん出てきてしまっている割に、枚数が足りてない感じ。
 もっとじっくり書き込めばいいのにな、と自分で書いたものを読んで思った。

 たしか当時の編集長様にも言われたような気がする。
 登場人物が多いから絞った方がいい、というようなことを。
 で、元々は『隈吉源三』シリーズの吉田警部というのも登場させるつもりだったのをやめたような……。
 それとも後編で出てくるのかな……?

 しかしいまさら大きく書き換えるのもなんなのでそのままです。
 すいません、自堕落で。

 せめて後編でちゃんとまとまっていればいいんだけど……。(まだ読み返していないのでどういう内容なのかまるで忘れています)

 後編まで読んだら、「あーっ、読んでよかった!」と思えるような読後感であればうれしい。

 過去の自分に期待。




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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして28年目に入りました。かなり本格的なおじさんになっているはずなんですがピンとこない。と思っていたら鼻毛が飛び出していた! 耳の中もサワサワするから耳毛チェックしないと。スマホに接続して使える内視鏡みたいなやつを前に買ったの使って確かめないといけないとここ数日考えているんですが、面倒で放置しています。この怠惰な心こそがおじさんになったことを証明しているのかな。
ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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