FC2ブログ

Entries

『不良生徒』と隈吉シリーズ新作予告






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『不良生徒』

★★★★★

 机の上に転がったいろいろのものを見て、私は言葉を失った。それは私が予想していた不良生徒の持ち物、たとえば煙草やシンナーや酒やナイフや、そういった子供じみたアイテムとは明らかに異質のモノだった。地味なパッケージのコンドームの箱、「love oil」とロゴの入った得体のしれない半透明のチューブ、ピンク色のイチジク浣腸に、革製のこれは……、手錠?
 すべてが、なにか見てはいけない、触れてはいけないもののような気がした。私は伊山を見た。伊山はもう笑っていない。妙に真面目な顔をして、机の上に転がったものと私の顔を交互に見ている。私はあわてて目をそらした。そして、なんとかこの場をやりすごそうと、転がったものの中からライターを取り上げて、声を振り絞った。
「た、煙草はいかんとわかってるだろ」
「なあ先生」
 伊山はいきなり立ち上がり、私の脇へ寄ってきた。私はぎょっとした。
「だ、だから、煙草は二十歳になるまで……」
「他にもいっぱいあるだろ、それ、聞かないのかよ。これはなんだ?ってさ」
 伊山はチューブをひとつ手にとって、私に身を寄せてきた。すると、さっきこいつがこの部屋に入ってきた時にした独特の匂いが、ムッと鼻先に迫ってきた。コロンじゃなくて、体臭だろうか? なんだか、クラクラくる匂いだった。
「伊山、それは、な、なんだ?」
「使い方、教えてやろうか。オレ、たぶん先生よりずっといろんなこと知ってるぜ」
「え」
 伊山の手が私の腰を撫でた。私はなにか異質のモノを伊山自身から感じ取って、身を引こうとした。すると伊山が私の手を握りしめた。
「先生、さっき言ったこと、本気だぜ、オレ」
「な、なにがだ?」
「だからさ、先生、オレのタイプなんだ、オレ、先生みたいなでっかい男が好きでさ」
「手を、は、はなしてくれ」
「先生、すげえ毛深いよな、手の指もぶっとくて、こんなに毛もじゃで、かっこいい」
 かっこいい? この私が?
 またからかわれているのかと思った。だが、伊山は私の手を何度も確かめるようにこすっていた。以前少し付き合った女性にも、こんなに親しく触れてもらったことはない。
 こいつは、どういうつもりなんだ?
 そこでようやく、伊山がなにを言っているのかわかってきた。え、しかし、まさか、この伊山が……。
 私は怖くなって後退った。手をふりほどこうとした。だが、伊山は手をはなさずに、逆に私を壁へ押しやった。額に汗の浮いた若々しい男らしい顔が、すぐ間近に見つめてくる。なぜだか、力任せに振り払うことができなかった。伊山の襟元から立ち上る若い男の体の匂いが、私を圧倒していた。

★★★★★


 生活指導担当として生徒を呼び出した三十五才の教師。
 不良と知られたその生徒に迫られ、関係を持ってしまう……。

 自分の容姿に自信のない弱気なノンケ教師が、男前の不良生徒に抱かれてしまうシンプルなゲイポルノ小説。

 初出『ジーメン』。









こちら配信当初、なぜかiOS端末では読めない状態で、
アマゾン様に対応をお願いしていたんですが、
どうやら普通に読めるようになっているようなのでお知らせします。

現在でもアマゾンサイト上では「利用可能な端末」欄に
iOS端末表記がないので、まだ対応できてないんだな、と思っていたんですが、
アマゾン様に改めて問い合わせたところ、
表記がないだけで読める状態です、とのお返事が。

なぜ読めるのに表記が出てこないのか、の調査は引き続きしてくれているとのこと。

というわけでよかったらお願いします。
Kindle unlimited対象にもなってます。







予告です。

早ければ今週、遅くとも来週に
弁護士 隈吉源三シリーズの続編を配信する予定です。
今回は番外編で一話読み切り。
タイトルは『弁護士 隈吉源三⑪ 吉田警部の酔いどれ紀行』となります。






スポンサーサイト

コメント

[C115] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C116] Re: こんにちは

いつもありがとうございます。
今回はほんと番外編で、ストーリーもろくにないものなんですけどね……。
しかし吉田警部の魅力は書けたかなと思っております。

性悪舅!
考えてませんでした。
……でも、いいかもですね。
お約束はできませんが、参考にさせていただきますね。
  • 2018-06-13 23:00
  • osamukodama
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして28年目に入りました。かなり本格的なおじさんになっているはずなんですがピンとこない。と思っていたら鼻毛が飛び出していた! 耳の中もサワサワするから耳毛チェックしないと。スマホに接続して使える内視鏡みたいなやつを前に買ったの使って確かめないといけないとここ数日考えているんですが、面倒で放置しています。この怠惰な心こそがおじさんになったことを証明しているのかな。
ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

僕のこと買ってよ

[小玉オサム文庫] の【ラーメン屋の嫁探し】 [小玉オサム文庫] の【ラブホテル 小玉オサム作品集40】 [小玉オサム文庫] の【鉄砲 小玉オサム作品集39】 [小玉オサム文庫] の【刺青 小玉オサム作品集38】 [小玉オサム文庫] の【俺たちと先生(全三話)】 [小玉オサム文庫] の【新聞オヤジ 小玉オサム作品集36】 [小玉オサム文庫] の【陸曹物語(全話)】 [小玉オサム文庫] の【マタギ肛虐伝 四の巻】 [小玉オサム文庫] の【マタギ肛虐伝 参の巻】 [小玉オサム文庫] の【マタギ肛虐伝 弐の巻】 [小玉オサム文庫] の【マタギ肛虐伝 壱の巻】 [小玉オサム文庫] の【七年目の浮気】 [小玉オサム文庫] の【記憶喪失の男】 [小玉オサム文庫] の【握り心地】 [小玉オサム文庫] の【嗅ぐ極道】 [小玉オサム文庫] の【エロすぎる弟】 [小玉オサム文庫] の【兄貴のお下がり】 [小玉オサム文庫] の【遊走 小玉オサム作品集24】 [小玉オサム文庫] の【漂流 小玉オサム作品集(23)】 [小玉オサム文庫] の【男が男を愛する時】 [小玉オサム文庫] の【営業部の男たち】 [小玉オサム文庫] の【よし坊とおっちゃん3】 [小玉オサム文庫] の【陸士たち(全話)】 [小玉オサム文庫] の【よし坊とおっちゃん2】 [小玉オサム文庫] の【ろくでなし 小玉オサム作品集(17)】 [小玉オサム文庫] の【よし坊とおっちゃん】 [小玉オサム文庫] の【夫同士 小玉オサム作品集(15)】 [小玉オサム文庫] の【舅の味 小玉オサム作品集(14)】 [小玉オサム文庫] の【弁護士隈吉源三(7)&(8)&(9)】 [小玉オサム文庫] の【脅迫 小玉オサム作品集(12)】 [小玉オサム文庫] の【先生の味 小玉オサム作品集(10)】 [小玉オサム文庫] の【弁護士隈吉源三(3)&(4)】 [小玉オサム文庫] の【弁護士隈吉源三(1)&(2)】 [小玉オサム文庫] の【性悪婿】 [小玉オサム文庫] の【俺の教育実習】 [小玉オサム文庫] の【父と息子の性教育 全五話】 [小玉オサム文庫] の【塾をサボった男の子】 [小玉オサム文庫] の【オレの彼氏はおまわりさん 小玉オサム作品集(3)】 [小玉オサム文庫] の【堕・若パパ 小玉オサム作品集(2)】 [小玉オサム文庫] の【日本の男 小玉オサム作品集(1) 俺の親父 乗車記録 日本の男 家庭訪問-教師と生徒とお父さん】