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『若パパの性欲』と『脅迫 小玉オサム作品集12』と『badi』12月号





アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『若パパの性欲』


   ★★★★★

「あのさ……、どこからどこまでがホモなんだ?」
「は?」
 おっさんは空気を読んだのか、オレのチンポに再びのばしかけていた舌先を引っ込めた。ポケットからハンカチを出して、それで唾を拭き取ってから、丁寧にジーパンの中に戻してくれた。オレは自分でシャツの裾を直したりしながら聞き直した。
「だからさ、オレはおっさんにしゃぶらせてるけど、ホモじゃない。だろ?」
「そうだな、あんたはノンケさんだよ」
 ノンケという言葉は知っていた。テレビなんかで見聞きするから。
「じゃあ、どこからがホモ?」
「わかった。あのご近所さんのことだろ?」
 いきなり言い当てられてドキッとした。というか、自分でもなにが言いたいのかよくわかっていなかったのだ。それをホモのおっさんが先に指摘したのだった。
「あ……、うん、まあ、そう。あの人、ホモだと思うか?」
「微妙なとこだなあ。ノンケはノンケだな。女が好きなんだから。ただし、ケツの感じるノンケ」
「ケツが感じる」
「そう、舐めてやっても指入れてやっても、あんなに感じる奴なかなかいないよ。ホモでも珍しいくらいだな」
「珍しいくらいに感じる……」
 タバコを一本吸ってから部屋に戻った。奥さんも晃も眠ってるらしかった。だからマンションのリビングで寝転がってスマホをいじった。アナル、とか、男の肛門とかで検索すると、その手の情報がすぐに出てくる。前にも一度調べたことがあったのだ。蓮君パパがあのホモのおっさんに指入れられてよがってるのを見た後に。
 ケツの感じる男というのはけっこうな比率でいるらしかった。しかもホモか普通の男かは関係なく存在するというのだ。蓮君パパはやっぱりそういうタイプなのだろう。だけどそれはもう前からわかっていたことだ。オレが知りたいのはそういうことじゃない。でも、なにが知りたいのかがよくわからない……。

   ★★★★★


 住宅街の中にあるごく普通の公園。
 家の中で煙草を吸わせてもらえない男たちがサンダルつっかけやってきてはニコチンを充填していく。
 煙草の火が強くなったり弱くなったり、よそから見ればホタルのよう……。

 連作「ホタルの交尾」シリーズの⑧。
 続き物ではなく、毎回読み切りの一話完結ですが、つながっている部分はあります。

 この第八話では、第一話の若パパ二人が再登場。攻守交代して描かれます。

 夜の公園で同じゲイの中年男から「サービス」を受け、性欲のはけ口を見つけた二人。妻子はかわいいが互いを見る目が変わり、妙な関係になってしまう。満員電車で一緒になると、出っ張ったところと引っ込んだところを押しつけ合って……。


 ゲイ官能小説。
 書き下ろし。









[小玉オサム文庫] の【脅迫 小玉オサム作品集(12)】


デジケット・コムにて配信はじまっています。


『脅迫 小玉オサム作品集12』

   ★ ★ ★

「おい、これだろ?」
 男が懐から財布をとりだした。俺のものとそっくりだった。
「あ、それだ、きっと。拾ってくれてたのか」
 すぐに返してもらおうと近寄った。すると男が後退った。
「待てよ、拾ってやったんだぜ」
「え、ああ、そうか、礼ならする。定期もカードも車の鍵も入っているんだ。助かったよ。いくら払えばいいかな。五千円くらい、お礼させてくれれば、」
「金はいらねえよ」
「ああ、そうか、悪かったな、今みたいな言い方、失礼だったな」
「そうじゃねえよ。他のものが欲しいんだ」
「他のもの?」
「ズボン下ろせ」
 聞き間違えたのかと思った。
「……え?」
「ち○ぽ見せろよ、それだけでいい」
「な、なにを言ってるんだ、冗談だろ?」
「この財布、欲しくないのかよ? そこの穴に捨てたっていいんだぜ」
 粗野な顔をニヤニヤ笑わせていた。俺は愕然とした。この男、本気だ。頭がおかしいのか?
「はやく返してくれ」
「だったら見せろって」
「見せたら返してくれるのか?」
 男はゆっくりとうなずいた。ばかばかしい、とは思った。本気を出せばこんな男、ひねりあげるくらい造作ないだろう。しかし頭がおかしいとなると話は違ってくる。下手なことはできない。もし取り逃がしてさちえの方に行ったら……。
 俺は後ろを振り返った。ほんの十メートル先では大勢の人々が水遊びを楽しんでいた。塩素の匂いと、人々の騒めきがすぐそこにある。だが、誰もこちらを見ていなかった。奥まっているし、用のない場所なのだ。屋根があるから薄暗くもあった。気づいてもらいたい、とも思ったが、逆に考えれば、この男の言うことをきいてやっても、誰に見られるわけでもないのだ。この場をやりすごすためには……。
「わかった。見せればいいんだな?」
 俺はベルトをゆるめ、ズボンを下ろした。トランクスもずり下げた。顔が熱かった。
「もっと下げろよ、よく見えない。へえ、けっこうでかいんだな」
 ニタニタと笑っていた。こんなことをして何が面白いのか。
「もういいだろう? 返してくれ、約束だ」
「勃たせろ」
「あ?」
「自分でしごいて、おっ勃てろよ」

   ★ ★ ★


 はやくに妻に死なれ、男やもめで娘を育てている三十代半ばの刑事、岡田。
 たまたまプールの更衣室に財布を置き忘れたことがきっかけで、得体の知れない三十男に脅され、関係を強要されてしまう……。

 小玉オサム作品の中でもっともシリアス、もっとも重厚な雰囲気に満ちた物語かと思います。重たい内容でありながら、これ以上なく隠微なゲイ官能小説でもあります。

 初出『ジーメン』。三回連載だったものをまとめてあります。




『護衛官』

 大学卒業後もフリーター生活を続けている根無し草のような青年と、政治家の護衛官だという「おっちゃん」。出会った場所は場末のポルノ映画館で、二人の関係にはなんの約束事もない。お互いのことはなにも知らないまま、それでも二人は惹かれあい……。

 ハートウォーミングなゲイ官能小説。

 初出『ジーメン』。











ゲイ雑誌『badi』にて僕の新作読み切り小説を掲載してもらっています。

タイトルは『セフレのままで』

挿絵は龍谷尚樹先生です。










明日から母と北海道に行く予定なんですが、
飛行機、飛ぶかな…。
今のところ欠航になってないから、とにかく羽田までは行くことになりそう。
遅れてもいいから飛びますように。



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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして27年目に入りました。ピンとこない。だけど鏡を見るとそこにはおじさんがいるから間違いないんだよね。保湿につとめていきたいと思います。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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