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『寝間着の匂い』『先生の味 小玉オサム作品集⑩』





アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『寝間着の匂い』


   ★★★★★

 トイレにつくと、Kさんは車椅子を身障者用の、アコーデオンカーテンで区切られた個室に押してくれました。
「すいませんでした。後は自分でできますから」
「ああ。でも押さえてるから、便器に移っちゃえばいい」
「はい、すいません」
 僕はなにも考えず、手すりにつかまって便器に座り直しました。しかし、車椅子と違って便器に座ると、痛まないようにかばうので、自然と股が開いてしまいました。そうすると、薄い寝間着の前がもっこりと膨らんでいるのがあらわになりました。僕はぎょっとしましたが、知らない顔でこのままにしていようと思いました。しかし、お礼を言ってカーテンを閉めてもらおうとKさんを見ると、Kさんも寝間着の前を膨らませていたのです。
 僕は本当に驚いて、Kさんの顔を見上げました。Kさんは真顔で、狭い個室の中を移動して僕の脇に立ちました。そしてカーテンを閉め、僕の顔を見下ろしてうなずきました。
 その時まで、僕はKさんがそういう人だとは夢にも思っていませんでした。それまでまったく実体験がなく、同じ性向の男と会ったこともなかったからです。だから、まさかこういう場所で、こんなことになるとは思っていなかったのです。風呂場でKさんが僕を見ていたというのも、みんな、面白がっているだけだと思っていました。
 僕は唾を飲み込みました。Kさんの顔を見上げていました。Kさんは真顔のまま、のそのそと寝間着ズボンを下ろして、勃ちきったアレを引っ張り出しました。そうするとあの匂いがさらに強くなり、あまった皮をつまんでむくと、よけいに生々しく、強い匂いがしてきました。それは赤黒く、脈打って小刻みに震えていました。皮をむいたところは湿って、少し光っています。汗と小便のまじった生臭い匂いもして、僕はその匂いを嗅ぎながらKさんの顔をもう一度見上げました。Kさんはうなずきました。

   ★★★★★



 整形外科に入院中の大学生と、気さくな中年男K。
 二人は食堂や廊下で顔をあわせれば挨拶をする仲だった。
 大学生はKの寝間着から放たれる中年男独特の体臭をくさいと感じていたが、くさいと思えば思うほど、若い体は反応して……。



 初出『ジーメン』。
 筆下ろしゲイ官能小説。








[小玉オサム文庫] の【先生の味 小玉オサム作品集(10)】


デジケット・コムにて配信はじまりました。


『先生の味 小玉オサム作品集⑩』


『先生の味』

むさ苦しくガサツな中年教師の山田。いつも性欲を持て余し、誰かを自分の思い通りにしたいという妄想にとりつかれていた。
そんな山田が教え子の周作に目をつける。
周作は小太りで色が白く、真面目でおとなしい性格だった。とくべつ目立つ生徒ではなく、むしろ地味な周作のことを、山田はいつからか性的な目で見るようになり、ある計画を実行に移そうとする……。

こいつなら俺の好きにできるかもしれない。

教師が生徒を襲う、○辱小説。
書き下ろし作。Kindleにて発表。



『義父』

母の急病で二年ぶりに実家に戻った主人公ひろふみ。
大学入学以来、家から離れていたのには理由があった。母の再婚相手でひろふみにとって義父となる男のそばにいられなかったからだ。当時、ひろふみは義父に対して恋心を抱いていた。
母は入院している間、義父の面倒を見てくれるように息子にたのむ。ひろふみは抵抗を覚えたが、病気の母に言われ断れるはずもなく……。
義理の父と息子の同居生活が始まり、やがて二人は追い詰められるように関係を持つことに。
罪の意識に押しつぶされそうになる二人だが、ひろふみは義父への想いを高ぶらせ……。

初出『サムソン』。
四回連載だったものをひとつにまとめました。



『親父さんが待ってる』

何年も付き合いのある恋人がいながら、他にもいい男いないかと遊び歩く主人公。
恋人の「親父さん」も、好きに遊べばいい、最後にわしんとこに戻ってきてくれればいいさと言う。

主人公は昔の知り合いと久々の再会を果たす。
年を重ね、以前よりタイプど真ん中になったその男と関係を持ち、親父さんとの別れについて考えるが……。

誠実でやさしい恋人がいても浮気心のおさまらない男という生き物の本音を描く短編。
初出『豊満』。











『寝間着の匂い』は整形外科の入院病棟が舞台なんですが、
僕自身が二十代の終わり頃にヘルニアで入院経験があり、
そこから思いついた話になります。

入院中に書いたんだったか、退院してから書いたのか
記憶が定かじゃないんですが。

このお話の主人公と同じで、
僕も入院して手術を受けるまで
ベッドの上でずっと横向きで寝ていたんですが、
右脚全体にずっと肉離れの痛みが走っていたから、
左向きで寝ながらシーツの上においた原稿用紙に
ボールペンでなにかしら小説を書いた記憶。

当時は下書きは原稿用紙に手書きで書いていたんですよね。
たまたま痛いのが右脚だったから横向きで書けたけど、
あれが反対だったら原稿も書けず退屈したはず。(右利きだから)

と言っても、いくら時間があっても、
一日中原稿書くなんてできないから退屈だったけど。




デジケットさまでの配信は今まで月に一度としていましたが、
前に予告したように、
今後は二回に増やそうと思います。
そうしないと永遠にKindleに追いつかないから。

ただ、続けばいいけど…。
すでにKindleで配信済みのものとはいえ、
ざっとでも校正はするので、月に二度、
自分の原稿を何百枚も読み返すのって苦役…。





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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして27年目に入りました。ピンとこない。だけど鏡を見るとそこにはおじさんがいるから間違いないんだよね。保湿につとめていきたいと思います。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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