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『漂流』





アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『漂流』



   ★★★★★

 父さんは首を激しく振ってお兄さんの手を振り払おうとしていた。なのにお兄さんはしつこく父さんの太股を撫でるように触っている。なんの話をしているんだろう? どうしてあんな風に触るんだろう? いやな感じがする。気持ちが悪い人だ。
「どうしてそうかたくななんです? このまま助けはこないかもしれない。だとしたら、いつまでも聖人でいられるはずもない。時間の問題ですよ」
「そんなことはない」
「じゃあどうしてさっきからずっとそこを押さえているんです? 隠したってだめですよ。オレが手と口で手伝うと言ってからずっと、親父さん、かたくしてるんでしょう?」
 ぎょっとしてしまった。突然、なんの話なのかすべてわかってしまったのだ。父さんはだめだだめだと繰り返していたけれど、お兄さんの手は父さんの太股を撫で続けていた。もちろん虫に刺されていない方の太股。毛深くて、汗で濡れて、脂で光っているたくましい太股を撫で回す。それを父さんは振り払えない。できないわけはないのに、ちゃんと振り払おうとしていない?
「触るな、触らないでくれ」
「感じてる証拠だ。こないだからずっと言ってるでしょう? 触られるだけなら男だって女だって一緒だ。我慢する必要なんかないんですよ。もしも明日救出されることになっても、すべて忘れてしまえばいいだけのこと」
 お兄さんは真面目な顔をしていた。父さんも真面目な顔をしていた。
「俺だってまだ四十なんだ、男なんだ、そんな風に触られたら誰だって、う」
「ね、ほら、気持ちがいいでしょう?」
 父さんはまだお兄さんの手をのけようとしていた。だけどその手に力は入っていない。お兄さんが指先でこそこそすると、パンツの窓から父さんのアレが飛び出してきた。あんなにかたくしている。それは一緒に温泉に行って何度も見たことのあるものだった。自衛隊の男は前を隠さない。だけど、あんな風になったところは初めて見た。あんなに大きく、太く、怒っているところは見たことがなかった……。そのうえそれはすごく汚れていた。
 きっとこの何日間か、ずっと父さんはあの人の誘惑を受けてきたのだ。お兄さんは男が好きなんだ。そう思いついても、不思議と違和感はなかった。もしかしたら、という疑惑はあったのかもしれない。そういえば飛行機の中でも、あの人は父さんのことをへんな目で見ていた。
「うっ、くっ、あ……」
「かたいんですね、それに太い。少し短いけど、そこがそそる」
 お兄さんが父さんのアレをしごいていた。溜まっていた滓がボロボロと落ちる。お兄さんはそれを丁寧に取り除き、くんであった清水で洗い流した。父さんはとても恥ずかしそうにしていた。だけどお兄さんが父さんの股の間に顔を寄せるのを、もはや止めようとはしなかった。

   ★★★★★




 飛行機事故に遭い、絶海の孤島に流れ着いた父と息子。そしてもう一人、生き残った青年。
 男三人で救助を待つが、水平線に船の姿はなく、空に飛行機の影もない。
 サバイバル生活が続く内に、青年が父を誘惑する。拒んでいた父もやがて男同士の関係を受け入れはじめ……。


 ゲイ官能SM小説。

 初出『Super SM-Z』。








昨日はコミックマーケットにて
サークルHide&Seekのケモノ本をお買い上げくださったみなさま、
ありがとうございます。



そして今日も委託で販売続いてますので、よかったらどうぞ。






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コメント

[C94]

すごくよかっです
  • 2017-08-20 17:22
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[C95] Re: タイトルなし

ありがとうございます!
  • 2017-08-20 17:44
  • osamukodama
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プロフィール

osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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