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『全裸の先生』






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『全裸の先生』



   ★★★★★

「おはよう」
 廊下を歩きながら生徒たちに声をかけていく。しかしおはようと返してくれる生徒は半分もいない。中には私の顔をまじまじと見据えて、首をかしげている者までいる。
 私は生徒に人気がない。いや、むしろ、嫌われている。
 職員室に入ると他の教師たちと最低限の挨拶をかわし、自分の机についた。すぐにスマホを取り出して、一眼から転送した写真を見る。彼が窓辺で笑っている写真。光が足りなくてぼやけているが、その分、なにか神聖なもののように見える。
「先生」
 すぐ目の前に彼が立っていた。西脇健四。一瞬、なにか奇跡的なことが起きたのかと思ったが、彼は手に持ったバインダーを私の机において頭を下げる。
「あ、ごくろうさん。ありがとう」
 私が生徒に課したレポートを彼が集めて持ってきてくれたのだ。もともと、彼だから選んだわけじゃない。ただ名簿のうえで目について、指名したら、彼は少しも嫌がらず引き受けてくれたのだ。毎年、誰にやらせてもこの役目を嫌がるのに、西脇健四ただ一人、それが当たり前という風に、もう半年も続けてくれている。
 彼を好きになったのはそれがきっかけだった。
 教師である私が生徒の彼に恋した理由。
 こんな些細なことがきっかけで人を好きになるとは思ってもいなかった。五十年近くも生きている私なのに。しかし彼だけは私を嫌っていないとわかるのだ。私に笑いかけてくれる時もある。本当の意味でしたしげに「先生」と呼んでくれる。
 恋をするには、それだけで十分じゃないか?

 ・・・・・・・・

「はやくしろ、開けろ」
 強くドアをたたかれた。私はおそろしくなって、あわてて鍵を開けた。とたんに大きくドアが開かれて青年が入り込んできた。私が部屋の中央まで後ずさると、青年はマジマジと私を見て表情をけわしくした。窮屈だからと私はスラックスを脱いでいた。ワイシャツにトランクス、そして靴下という格好だった。
「おい、もうつきまとうなって言ったろ。ここも引き払えって」
 青年が私の胸を突いた。
「あ、だから」
「どういうつもりだよ? あいつが警察沙汰にはしたくないって言うから我慢してやってんだぞ」
「わ、私がこのアパートを借りていることは、別に違法じゃない」
 どうしてそんなことを言ってしまったのか。
「なんだと?」
 頬をはたかれた。私はショックと恐怖で身をすくませた。突き飛ばされ、畳の上に転がると、青年は私の胸の上に馬乗りになって、何度も手をあげた。私はようやく手で自分の顔をかばった。痛かったし、悔しかった。青年がどこか焦ったような顔をして手を振り上げるものだから、私はよけいにこわくて逆らえなかった。
「やめてくれ、もう」
「痛い目にあうのが好きなのかよ?」
「あ?」
「どうせならあいつに叩かれたいとでも考えてんだろ?」
「私はただ」
「あいつになら何されてもいいって考えてんだろ? この変態オヤジが」
 思わず想像してしまったのだ。彼にこんな風に馬乗りに踏まれて叩かれたら……。
 一瞬で私は勃起した。
「見せてみろ」
 青年の言う意味がわからなかった。青年は私の首からネクタイを抜き取り、立ち上がった。やっとゆるしてくれるのか、そう思った時、腕をねじりあげられ、後ろ手に縛られた。
「や、やめてくれ、どうして……」
 トランクスを引っ張られ、膝まで下ろされていた。体が横向きになっていたから、勃ったところが見えてしまう。私はあわててうつぶせになった。青年の足が私の腰を蹴り、強引に仰向けにされる。そこにフラッシュが光った。青年が携帯をかまえていた。
「これであんたが変態教師だって証拠ができた」

   ★★★★★



 妻子に逃げられた冴えない中年教師。
 教え子に恋をしてストーカーとなり、覗き見用にアパートまで借りてしまう。
 直接なにかするつもりはなかった。しかし教え子の叔父だという青年があらわれて脅されてしまう……。

 ゲイ官能小説。

 中年マゾの独白モノ。


 他電子書籍サイトにて書き下ろしとして発表した『全裸先生』(武藤三郎名義、だったと思います)を改題しました。
 (そのサイトはすでに閉鎖されています。名義も違っていたかも。書類なども処分済みのため確認とれませんでした)







なんでいちいち、全裸の、に変えたのかというと、
同じタイトルのゲームがあるみたいなんですよね。

ゲームと小説じゃちがうものだけど、誤解があるとよくないと思ったので。
(ゲームの関係者のみなさま、申し訳ございません)

まあ、の、をつけただけですが……。

紛らわしくてすいません。





で、なんとなくなんですが、
今回はアマゾン独占扱いにしたので、
読み放題サービスにも自動的に登録されています。

普通に買うまでの興味のない方も、
読み放題に入ってらっしゃる場合、よかったらお願いします。







『BRUNO + anima』ですが、
本文内に下書き段階での指示書きなどが残ったままだったことがわかりました。
大変申し訳ございませんでした。

なんでもギリギリでやるのよくないですね……。
ごめんなさい。
同人誌、高いのに、ミスが目につくとがっかりしちゃいますよね。
ほんとすいません。


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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして28年目に入りました。かなり本格的なおじさんになっているはずなんですがピンとこない。と思っていたら鼻毛が飛び出していた! 耳の中もサワサワするから耳毛チェックしないと。スマホに接続して使える内視鏡みたいなやつを前に買ったの使って確かめないといけないとここ数日考えているんですが、面倒で放置しています。この怠惰な心こそがおじさんになったことを証明しているのかな。
ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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