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『脅迫 中編(全三話)







アマゾンkindleストアにて配信はじまりました。

『脅迫 中編(全三話)』

   ★ ★ ★

「まだ帰らないでくれよ!」
 ここまできて、泣き出しそうな顔で懇願するのだった。苛立たしかった。
「いったい、どっちなんだ?」
「え……」
「俺をどうしたいんだ」
「どうって、ただ、オレはここにいて欲しくて、」
「そうじゃない、お前は俺を……」
 お前は俺を支配したいんじゃなかったのか?
 言いかけて、口をつぐんだ。どうしてそんなことを考えたのか、言おうとしたのかわからなかった。須藤は俺を背中から抱きすくめていた。太り気味の体がのしかかり、肩に顔を押しつけている。暖かかった。
「頼むからまだ帰らないでくれ」
「お前の思い通りには、ならない」
「どうして逆らうんだよ?」
「嫌なら、……手錠でもかければいい」
 ついに自分から言ってしまった。自分の口から出た「手錠」という言葉に、俺は戦慄した。須藤の手から力が抜けていく。
「抱いて、いいのか?」
「……いいわけがない」
「今日はするつもりなかったんだ、でも、オレはいつだってあんたを抱きたいって考えてるんだぜ」
「俺は違う」
「それでも……」
「だから、……手錠をしてくれ、でないと……」
 なぜこんなことを言うのかわからなかった。それも、まるで哀願するような調子で……。須藤はそれ以上聞いてこなかった。隣の部屋まで行って、手錠を手に戻ってきた。

   ★ ★ ★


 男やもめの岡田、同僚刑事の峰、そして脅迫者である須藤。
 それぞれの関係が少しずつ変わっていく物語の中編。



 初出『ジーメン』。三回連載だったものの第二話。







旅行にきています。

旅行しています、ということはこのブログやツイッターで書くこともありますが、書かないことも。
そういう時はひっそり一人で出かけて帰ってくる。
少しはスマホなんかで写真を撮ったりするし、それを誰かに見せたいという気持ちもある。
旅先での食べ物とか飲み物とか、景色とか、買い物のことなんか書きたい気持ちも。
しかし最近はそういうの控えめにしています。

前は旅行に行くと旅先での写真をブログで紹介したりというのをよくやってたんですが、父が倒れた後からはあんまりしなくなりました。

なぜかというと、ある時、「小玉さん、ブログで旅行したとか書かない方がいいよ」と数名の方から言われたから。

父の介護生活でいろいろ大変、という立場のはずなのに、どうして旅行なんかしてるのか?

そんな風に思う人がいるから、とのこと。



それから何年か経って、ある作家さんと会ってお話ししている時に言われました。

「ツイッターで旅行のこと呟いたりするのやめましたよ私」
「どうして?」
「いちいちイヤミをリプしてくる奴がいるから。いいご身分ですね、とかさ」

あ~、とうなずきました。
そういえば僕も、旅行したとか、こんなたのしいことがあった、みたいなことはつぶやかなくなったな、と気づきました。
ブログと一緒で。

たったそれだけのクソリプで?
と思う方もいるでしょう。
でも、それを言ったら、たったそれだけのツイッターなのだし……。



あー、ほんとめんどくさい。

こっちだってそんなたのしいことだらけの生活送ってるわけじゃないんだよ。
たまにたのしいことがあるから、ブログやツイッターでネタにしてんのに、
いちいち嫉妬心を表明する奴。
どうせ他人のことであって、あんたに関係ないじゃんか。
こっちが苦しんだり泣いたりしてることをネタにしたら、
どうせスルーすんだろが。
(もしくはザマーミロと笑うのか。まだその方が健全かもね)



突然の罵倒、失礼しました。


こういうことを書くと嫌われるかも、自慢と思われるかも、なんて考え始めると、なにを書いていいのかわからなくなっていく。
そして、そもそも書く必要がないんだな、と思うように。

だからエッセイとかコラムみたいなものは苦手なんですよね。
小説はお話だからどう書いても僕個人とは切り離せるけど。




と、こんなことを書いておきながら、きっと自分も似たようなことひとにしてるんだろうな、と思いつきました。
どうでもいい嫉妬とか、イヤミとか、垂れ流してきたに違いない。

だけど、そういうの垂れ流す内はまだいいのかも、とも思う。

なんにも感じなくなるよりは人間らしいような。
クソリプされる側にはただの迷惑だけど。





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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューしてなんと26年目! ゲイ雑誌各誌に小説をのせてもらって四半世紀経ったということ。いつのまにか休刊した雑誌の方がずっと多くなってしまい……。時代……。この間、鏡を見たら耳から盛大に耳毛が飛び出していた! 時代……。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
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