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『犬極道Ⅲ リストランテの夜』







アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『犬極道Ⅲ リストランテの夜』



   ★ ★ ★

 翌朝、島崎の声で目が覚めた。
「……わかった、伝えておく。いや、まだ寝ている」
 おれはベッドの中で手足をのばしながらドアの方を見た。十センチほど隙間が開いていて、そこから島崎がリビングでなにやらしている姿がちらちらと見え隠れする。電話で誰かと話していたらしい。きっと相手は花井だ。シェ・高科の件か……。
 寝室の中は暖房が切れていて肌寒かった。眠る時は寒いくらいが好きなのだ。しかし起きて布団から手を出していると冷えてしまう。もう少し、と考えて布団をかぶりなおした。するとベッドの中にこもった自分の体臭が鼻についた。毎年冬になると体の匂いがきつくなる。年のせいか、年々ひどくなっている気がする。汗をかかない生活のせいで、毛穴に男の脂がつまるのか。
「……ん」
 無意識に股ぐらに手をやっていた。いつものことだが、朝勃ちしていた。小便もしたいが、そこまで差し迫っていない。何度か握りしめていると、その気になった。
「おい!」
 おれが呼べば島崎の奴はいつだって飛んでくる。常に声をかけられるのを待っているのだ。寝室に入ってくるとおれの顔を一目見て、すぐに布団の中に頭を突っ込んできた。
「ふっ、んん……」
「……お?」
 布団の中で島崎が鼻を鳴らしていた。こもった匂いを嗅いでいるらしい。本当に犬みたいな奴なのだ。本物の犬を飼ったことがないが、聞いた話じゃ、犬ってのは主人の匂いならどんなにくせえ足の臭いでもお気に入りになってしまうらしい。この島崎の野郎もそれと一緒なのか、最近はこうしてベッドに呼ぶと、まず布団の中の匂いを嗅いでからおれのチンポに顔をこすりつけてくる。もちろんチンポの匂いにも鼻息を荒くする。
 考えてみれば気味の悪い話だ。おれは男好きってわけじゃない。自分の汚れた匂いを嗅がれるなんて、相手が好みの女だとしてもいい気分なはずがない。なのにこの島崎の犬っころ相手には、勝手にしろという気持ちでいる。こいつがおれの匂いを嗅ぎたいっていうんなら、しっかり嗅がせて、しゃぶらせてやろうと思う。犬の面倒を見るのと一緒だ。犬の本能と思えば、少しくらい甘えさせてやってもいいという気持ちになる。
「う、ん……、よし、根本までしっかりくわえ込め」

   ★ ★ ★


 敵対する高畠組にリンチされ玉を抜かれた島崎。次期組長間違いなしと思われていた男の中の男はやがて腑抜けとなり、弟分だった野田にかこわれることに。野田は女好きのスケベな男だが、島崎に身のまわりの世話を焼かせ、気の向いた時には好きなように島崎の口や肛門を使う。(『犬極道Ⅰ』より)

 次期組長の座を狙う野田は近隣地域に勢力をのばしている中国マフィアと接触をはかる。マフィアの周はサディスティックな男で、「ペット」連れの珍奇なパーティを開催していた。野田は島崎を「ペット」として差し出すことで、自らと島崎の絆を試すことに。(『犬極道Ⅱ』より)

そしてこのⅢでは……。

 野田と島崎がまるで主人と犬のような絆を結び合って三年。マフィアのパーティで知り合った絹江と恵莉から食事に誘われ、二人はオープンしたばかりの高級レストラン『マグワイア・ダイナー』に行く。そこでオーナーであるダニー、マリー兄妹を紹介され、野田はマリーの美貌に一目惚れしてしまう。兄をグルメツアーに連れて行ってとたのまれ引き受けるが、髭の白人男ダニー・マグワイアが食と性の野獣であることがわかってきて……。

 コミカル・エロチカ・ゲイ官能小説。




 2016年冬のコミケットにて発表の同人誌『犬極道Ⅲ』のKindle版。

 紙の『犬極道Ⅲ』とは挿絵点数が違っています。
Kindle版はコンパクトバージョンでお値段控えめ。
 小説本文は同じです。

 龍谷尚樹先生の美麗イラストがすべて収録された完全版の電子版はデジケットにてお求めくださいませ。
 そちらは紙の『犬極道Ⅲ』とまったく同内容となっております。




そしてこちらがデジケットさまにて販売開始されている完全版へのリンクになっております。


[Hide&Seek] の【犬極道III リストランテの夜】



実はKindle版の申請でちょっとありまして……。
ひっかかりそうな挿絵は抜いて申請したつもりが、それでもひっかかった。

Kindleの申請は日本語ページがあるのでそこでするのですが、
英語の警告文的なものがメールでやってきて。

それがちょっとこわい文面……。
英語なのでどのくらい強めの表現なのかよくわからないけれど、
ぐーぐるで翻訳してもらったところ、
こういうの他にも見つかったらひどいぞ、的な。
(ちょっとちがうけど)

で、日本語でサイトから問い合わせしたんですよ、
どこがいけないのか言ってください、と。

でも、前にも似たようなことあったのに忘れていた。
こういう場合、どこが、なにが悪いのか、
という説明は決してなされないということを。

考えてみれば当たり前。
だって、これがダメですよ、とはっきり説明してしまったら、
すでに販売されているさまざまなコンテンツも
一緒に配信を停止しなくてはならなくなってしまうから。

紙の同人誌、もしくはデジケットで出ている電子の完全版を
見ていただけた方はわかるでしょうけど、
もっとヤバイ表現の絵なり漫画なり、
たくさん配信されているのが実情。
なぜ個人出版だとダメで、
出版社を通して配信という形なら許されるのか、
不思議な話ですけど、
まあ、大人の世界ということで、そこはしかたない。
誰かがわざとこうしたというより、
結果としてこうなっちゃった、ってことなんでしょうし。


で、しょうがないので、猥褻な挿絵はほとんど抜いたデータを
龍谷先生に作り直していただいて、
そしたらすんなり通りました。
(龍谷先生お手数おかけしました。また、Hide&Seekさまご心配おかけしました)


と、愚痴めいたことを書きましたが、
それでも
龍谷先生のセクシーだったり
かわいかったりするイラストがたくさんついているのは一緒なので、
作品としては大満足。
とくに主人公の野田がかわいいんですよ。
もともと身勝手で不格好で、男っぽいキャラなんですが、
今回はそういう男のかわいさというものをすごく出してくれていて。

前作『犬極道Ⅱ』と同じく、
いわゆる小説の挿絵というより、
漫画に近い表現になっているので、
つられて小説本体もとっかかりやすくなっていると思います。


というわけで、
審査に引っかかった猥褻なイラストもすべて見たい、
という方はデジケット版を。

コンパクトでいいという方はKindle版をオススメします。



よかったらお願いします。



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osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして28年目に入りました。かなり本格的なおじさんになっているはずなんですがピンとこない。と思っていたら鼻毛が飛び出していた! 耳の中もサワサワするから耳毛チェックしないと。スマホに接続して使える内視鏡みたいなやつを前に買ったの使って確かめないといけないとここ数日考えているんですが、面倒で放置しています。この怠惰な心こそがおじさんになったことを証明しているのかな。
ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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