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『ラガーマン飼育日誌』『遊走 小玉オサム作品集24』『BRUNO Vol.5』






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『ラガーマン飼育日誌』


★★★★★

 シェービングクリームを縮れ毛に塗りつけられた。彫り物師は手術用の手袋をはめた手でカミソリを持ち、おれのちんぽを持ち上げた。そこでいきなり金谷が手を出してきた。
「わしが支えておいてやろう」
「え、おれ、自分で、」
「いいから、君はじっとしていればいい」
 金谷の指がおれのちんぽをつまみあげた。手袋もはめていない手で。いいのかな?と思いながらも、逆らうのはまずい空気が流れていたから黙っていた。
 冷たいカミソリの刃が肌を撫で始めた。泡がちんぽにもついて、金谷は何度もちんぽをつかみなおすものだから、濡れてこすれる。
「ハハハ、この年でパイパンにされるとは思わなかっただろう?」
「はあ、そうスね」
「いやらしいな」
 どんどん毛がなくなってつるつるにされていく自分の股間を見ると、たしかに異様な感じがした。この年で、こんなにでかくなった体なのに、あるべきものがなくなるというのは……。
 金谷の手が泡でちんぽとこすれていた。ここしばらく練習がきつくて溜め込んでいたせいもあったのだろう。
「あ、あの、おれ、その、」
「なんだ勃ってきたぞ?」
 金谷は面白そうに笑って、はっきりと泡でちんぽをこすりあげた。おれはドッと汗をかいて金谷の手首をおさえようとした。
「や、やめてください、おれ、」
 しかしもう遅かった。一気に勃ってしまったのだ。金谷はニヤニヤ笑っているが、彫り物師の方は無表情のまま一瞥するだけだ。
「男ならよくあることだ。気にするな」
 玉の方まで剃られていった。さすがにハラハラした。ここで手が滑ったりしたら、おれ、男が終わっちまう? そう考えたらやたら緊張してしまった。
 それでいてちんぽはもはや完全にかたくなってしまっていた。それを金谷の手が押さえ込んだり、引っ張ったりするのだ。思わずビクッと体震わせてしまうと、金谷の手がそれをずるずるとこすりだした。
「じょ、冗談やめてください」
「ハハハ、イッてしまいそうかね? 元気がいい証拠だな。しかしズルムケとはな……」
 金谷は手を止めた。何か言いたげだ。やっと剃り終えると、金谷も手をはなしてくれた。
 妙な間があった。おれはまだ勃ったままで恥ずかしいし、二人の男はじろじろとおれのパイパンになった下半身を見ている。
「一発抜いて小さくしないと仕事にならないんじゃないか?」
 金谷がクックッと笑いながら言った。それに対して、彫り師はいくらか苛立たしげに言い返す。
「平気です。どうせ針を入れれば萎えるから」
 彫り師はさっきのシートをあらためておれの太ももやチンポのまわりにまで貼り付けていった。ノリがついているのか、ぴったりと肌に吸いついて、それを端から丁寧にはがすと絵がキレイに肌に移っていた。
「なんだ、これ……」
 思わずつぶやいていた。彫り師がきつい目つきでにらんでくる。あわてて口を閉じたが、自分の体にはりついたその絵に、おれはゾッと鳥肌をたてた。
 それは奇妙で、おそろしい絵だった。

★★★★★


 オーナー会社の経営悪化から存続の危機に立たされた社会人ラグビーチーム。
 主人公の若きラガーマン兼高は資産家の金谷宅に呼び出される。
 ハゲ頭の太った金谷は兼高のファンで、チームの支援を申し出てくれる。
 兼高はその申し出に一も二もなく飛びつくが、金谷は正式な契約を結ぶのが支援の条件と言い出す。
 その契約とは、ラガーマンのたくましい肉体に入れ墨を入れるという異常なものだった……。

 ゲイ官能SM小説。

 初出『Super SM-Z』(もしかしたら『ジーメン』だったかもしれません)。






[小玉オサム文庫] の【遊走 小玉オサム作品集24】


デジケット・コムにて配信はじまっています。


『遊走 小玉オサム作品集24』


『遊走』

大学受験を間近に控えた学園の生徒、菅野は優等生だが家庭の事情で進学をあきらめている。幼なじみの健司は不良で勉強もできないが、家が裕福。何もかも正反対の二人だが親友同士だった。

健司は同じクラスの加藤を目の敵にしていて、加藤の精子を採取して顕微鏡で見てみようと言い出す。そうした悪ふざけに関わり合いになりたくない菅野だったが、健司と不良グループの連中が加藤を押さえつけ、裸にむくのを見て、モヤモヤとした何かを自分の中に感じ始めてしまう。そして嫌がる加藤の肛門は……。

純粋で残酷な青春ストーリー。

初出『サムソン』。



『若ハゲの田中くん』

たまたま通りかかった工事現場で軽い怪我をした三十歳の主人公まさひろ。マンションまで送ってくれた田中という労務者は禿げて老けて見えるが実際にはほとんど同年代でまさひろのタイプだった。田中もまさひろを気に入って、二人は付き合うようになるが、まさひろには一年続いた恋人が別にいて……。

妻子持ちの恋人との週に一度のデートはいつも楽しく、豪華なものを食べ、洗練された大人の会話ができる。若ハゲの田中くんはコンプレックスのかたまりで気の利いたセリフひとつ言えない。

純真だが面白味のない男と、不倫だが楽しい年上の男。
あなたならどちらを選ぶ?

初出『サムソン』




『堕ちる』

大学卒業後、翻訳業をして暮らしている孤独な男、山崎。ハッテン便所で年下の若い男と出会い、ごく普通のいい関係をのぞむ。しかし若い男は恋人らしい仕草ひとつ見せず、SMじみた行為を迫ってくる……。

初出『バディ』。

転落小説。



『愛するという才能』

留学先でつらい経験をした主人公。
自分の中の何かが失われてしまったような気がして、一年も待ってくれていた恋人に対してもそっけない態度しかとれない。
乱交、覗き、SMプレイなど激しい性生活を送りながらも、自分の現実を生きる気になれず……。

初出『バディ』。













けもケットにてサークルHide&Seekの新刊が出ます。

『BRUNO Vol.5』

ゲイ官能ケモノ小説。大冒険活劇になってます。

原案いぬごく氏、挿絵エンボス先生です。







実は『BRUNO Vol.5』以外にも出すものがあるのですが、そちらはまたあらためて告知します。

で、この『BRUNO Vol.5』、原稿用紙で240枚くらいだったかな、とにかくすごいボリューミー。
シリーズ第一弾だった『BRUNO Vol.1』が126枚だったので、倍。

キャラも要素も盛りだくさんで、ドラマもエロスも丁寧に書いたら長くなってしまいました。

個人的にはシリーズの中で一番気に入ってる作品かも。

よかったらお願いします。




『脅す男 後編(全三回)』






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。

『脅す男 後編(全三回)』

★★★★★

 とりあえずシャワーでも浴びるか、と思った時だった。ドンドン、とドアがたたかれた。俺はとっさに、厚志がきたんだ、と思っちまった。だからなんにも確かめずにドアを開けた。
「厚志……、なっ?」
 そこに立っていたのは、あの吉祥寺と玉城のおっさんの二人だった。
「なっ、なんなんだお前ら?」
 すると吉祥寺が、玄関の中に一歩足を踏み入れてきた。
「二人で話し合った結果でな。今度はどっちが先かってモメてたんだ。で、どうせなら二人がかりでってことになってな」
 吉祥寺が俺の手首をつかんだ。その熱くて力強い感触に、俺はぞっとした。
「ふ、ふざけんな!」
 本気で頭にきたのだ。だからすぐさまノシてやろうと考えた。今度こそぶっ殺してやろうか、とも思ったのだ。それが、気がつくと玄関でひっくり返っていた。合気道だか空手だか、手首をひねられたようだ。玉城の情けない悲鳴が聞こえたが、それを打ち消すように吉祥寺が怒鳴っている。
「手錠をかけろって言っただろ、ほら、はやくしろ」
「は、はい」
 俺は軽い脳しんとうを起こしたようでちょっとの間くらくらしていた。その隙に、後ろ手に手錠をかけられた。さらに、吉祥寺が足首にまで手錠をかけたようだった。二人はうんうんうなりながら俺の体を引きずって部屋の中に運び込んだ。ドアを閉めてから二人して額を拭い、部屋にこもった熱気に気がついたようだった。
「なんて暑い部屋だ」
「クーラーが壊れてんだ、だからさっさとこれをはずして、出て行け」
 俺はやっとのことでうなってやった。すると吉祥寺も玉城もニヤニヤと笑い出した。
「わしと玉城さんはな、元々サウナで知り合ったんだ。三十分以上暑い中こもってたって気持ちいいくらいのもんさ」
 玉城が先に服を脱ぎだした。吉祥寺も目配せしながらスーツを脱いでいく。俺の目の前で、みっともなく太った中年男二人が、照れもなく裸になって、汗まみれの体をあらわにした。その股間では大きさの違うちんぽが半勃ちにまで膨らんでいた。
「さて、今日は二人がかりだからな、ちゃんと裸にして、隅々までかわいがってやろう。はさみはどこだ?」
「ありましたよ、ほら」
 玉城がすばやく台所からはさみを見つけ出してきた。俺は裏の顔でにらみつけてやったが、ビビる様子もなく俺のタンクトップにはさみを入れていく。下はパンツと寝間着のズボンをはいていたが、それもあっという間に切り刻まれてはぎ取られた。俺は手錠をかけられたまま、素っ裸にされて部屋の床に転がされた。後ろ手がつかえて横向きだ。
「お前も汗でべたべただなあ?」

★★★★★



 カッとして、つい、恋男に手を上げてしまった主人公。
 恋男は姿を消し、脅したはずの男に逆襲され、身も心もボロボロになるが……。

 どんでん返しのつづく最終話。

 年下の恋男、ちんぴら仲間、脅迫相手たちと織りなす、ちょっとノワールでいてユーモラスでもあるゲイ官能小説。


 初出『ジーメン』。
 三回連載の第三話。





というわけでこれで全三話になります。
けっこう楽しいお話だったのでオススメ。
強い男が堕とされる系でエロ多めです。





ブログで宣伝するのうっかり忘れていたんですが、
昨日開催の野郎フェスにサークルHide&Seekとして参加してました。
(僕は行ってないけど)。

そちらで販売されたケモノ小説『エンシエロ3』は紙の本のみの販売になるそうです。

で、4/30日のけもケット7でも新作ケモノ小説を出す予定です。

その前にはこちらでも宣伝します。

この一、ニヶ月ずっとケモノ小説書いてる気がする。
そろそろ人間書きたいかな~。






この前、鏡に向かって笑ってみたら、それまで気づいていなかった皺が!
胎盤飲みたい。



『脅す男 中編(全三回)』






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『脅す男 中編(全三回)』


★★★★★

 一風呂浴びてさっぱりした頃には、外で食事をする時間はなくなっていた。厚志が、何か作るよと言い出して鍋を火にかけ、湯が沸くのを待つ間にテレビをつけた。ちょうどニュースの時間で、アナウンサーが怖い顔をして話していた。
「……また警察官が犠牲になりました」
 俺は心臓が止まりそうになるのを感じた。全身が凍りつき、食い入るようにテレビ画面を見つめた。しかしどうも話している内容が食い違っている。北海道がどうとか言っていた。どうやら警官は警官でも別の警官の話らしい。俺はなんだかホッとした。しかしその話題が終わる寸前、アナウンサーが付け加えるように言ったのだった。
「立て続けに警察官が犠牲になってしまいました。ご冥福をお祈りします」
 こっちこそ吉祥寺だ! 俺はじっとしていられずにソファから立ち上がった。厚志が鍋に何か入れようと袋を持ち上げながら声をかけてきた。
「どうしたの?」
「俺の、俺の分はいらないぞ」
「え?」
「俺は、……どこかに行かなきゃならない」
「どこかって、どこ?」
「どこでもいい。とにかくこの街を離れないとダメだ」
 俺はきっぱりと言い放ったのだ。すると厚志は笑顔を向けてきた。
「旅行? いいねえ、いつ行く?」
「今からだ」
 俺がすごんだせいか、厚志は目を丸くした。だがすぐに言い返してきた。
「ようし、じゃあ、付き合っちゃおうかな」
「うん?」
 厚志は鍋の火を消して自分の携帯を取り上げた。そしてどこやらに電話をかけて、誰かと話した。切ると、俺を見てまた笑った。
「休みとれたよ」
「なんだって?」
「ずっと働きずくめで有給がいっぱい未消化だから、どうせ休みをとらなきゃならなかったんだ」
 なんだか話がおかしくなってきた、と思いながらも、俺もカジノに電話をした。支配人は迷惑そうにうなっていたが、夕べの俺の失態を見ていたから、疲れが出てるって思ったらしい。それにこの世界、急にいなくなる奴が多いのだ。まだ事前に連絡を入れる俺はましな方だろう。
 電話を切る頃には、厚志がネットで予約を入れていた。
「今からでも間に合うよ。空港に急ごう」
「お、おう」
 本当に着の身着のまま飛び出した。タクシーで空港に向かい、とりあえず必要な下着の替えを売店で買っていると、おい、と声をかけられた。振り向くと、金田と寄子がいた。
「な、なんでお前らがいる?」
 俺はびっくりしてまじまじと二人の顔を見据えた。すると厚志が横から説明した。
「さっき寄子さんに電話したら、一緒に行くって言い出したからさ、待ち合わせしたんだよ。金田さんもこられてよかったね。急な話なのに集まれてさ、なんかこういうの、ワクワクするなあ」
 厚志はうれしそうに笑っていた。俺も力が抜けて苦笑する。金田も寄子も笑っていた。だが、どこか奇妙な目つきで俺を見ている気もした。

★★★★★




 闇カジノで働く、ゆすりたかりを生業としているいかつい主人公。

 脅迫相手を呼び出したはずが、待ち構えていたのは中年刑事で、逆に脅迫され、レイプされる。

 そしてことが済んだ後、頭に血を上らせて刑事を殺してしまう。

 いつ逮捕されるかと怯える毎日がはじまるが……。



 年下の恋男、ちんぴら仲間、脅迫相手たちと織りなす、ちょっとノワールでいてユーモラスでもあるゲイ官能小説。


 初出『ジーメン』。
 三回連載の第二話。






先週と同じ紹介ですが、あらためて。

今日、午前中に後編を読み返してちょっとだけ手を入れて配信の予約を済ませたんですが、
こんな話だったのかと軽く驚きました。
やはりまるで覚えてない。

この人が実はこうだったはず……、と予想して読んでいたら違っていたり。


年齢的な問題もあるので、今後はますますこういうことが増えそう。

一番心配しているのは、すでに配信しているものをまた新たに配信してしまうというミス。
いつかやりそう……。








『脅す男 前編(全三回)』と『漂流』





アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『脅す男 前編(全三回)』


★★★★★

「体が大きい人ってみんなお酒が強いのかなあ」
「そんなわけねえだろ」
 たまに、厚志はボケたことを言う。そこがまたかわいいのだ。俺が甘い気分で笑っていると、厚志は自分の職場の話をしはじめた。前に聞いた話じゃ、どうも役所関係だかなんだかのセキュリティがどうとかやっているらしいが、くわしいことは知らない。聞いてもわからないというのが正直なとこだ。それでも厚志の真面目に話をする顔が好きで、俺は熱心にうなずいてやる。俺と五歳しか違わないし、社会に出て何年もたっているくせに、まだ学生のようにしか見えない、幼さを残したその顔。それがエリートぶって小難しい話をするのが、学のない俺にはなんだかたまらない。俺はこいつを好きにできる、そう思うと、自尊心をくすぐられるというのか、そこらの奴らをつかまえて自慢したくなるというのか……。
「来月、誕生日って言ってたよね?」
 唐突に厚志が話をふってきた。俺はうんざりして答えた。
「まあな、もう三十一だ」
「まだ三十一」
「老けてるって言いたいんだろ?」
「落ち着いてるって言いたいかな」
「からかいやがって」
「もう何人も部下がいるんでしょ? 警備主任、ってかっこいいじゃん。やっぱ、そういう人は落ち着いてないとね」
「やっぱりからかってんな?」
「お祝いしなくちゃなあ……」
 厚志はろうそくの炎を見据えてなにやら考え込み出した。プレゼントでもくれるつもりなのか。なんにしても、うれしい話ではある。とりあえず来月までは、こいつも俺と付き合ってくれるつもりでいるらしい。俺はまた甘い気分でビールのおかわりを飲んだ。
 厚志と別れると俺は職場に向かった。今夜の最初の仕事のために、メモに書かれた住所を訪ねるのだ。古ぼけたアパートの二階に上がり、汚いドアをノックすると、短髪の堅太り男が顔を出した。歩いて汗まみれになった俺と同じように、その男も汗をかいている。エアコンも入れていない部屋のようだ。
「どなたでしょうか?」
 あきらかに俺より年上の男だった。たぶん三十代後半ってとこだろう。顔はひげ面だし、ごっつい雰囲気だ。だが声はいくらか震えていた。俺と会ったのは初めてのはずだが、予想はついているのか。
「田中、ええと、昭彦さん、だな?」
 俺はチノパンのポケットから取り出した紙切れを読み上げた。こういうことは必ず確認しないといけない。
「はい、そうですけど……」
「丸岡金融さんから、融資受けてるな?」
 とたんに田中の顔から血の気が引いた。いつもの取り立てと違うから、よほど驚いたらしい。あわててドアを閉めようとするが、とうに革靴のつま先を隙間に差し込んでいたのだ。俺は力任せにドアを開き直し、狭い部屋の中に入り込んだ。中は案外片付いている。田中は部屋の奥に逃げ込んで携帯を使おうとしていた。俺はため息ついて言ってやった。
「警察呼ぶのはいいがな、その後、どうなるかわかってるな?」
「あ……」
「俺の後にくるのは、ほんまもんのこれもんだ。東京湾に沈むことになるぞ」
 田中は手を震わせて携帯を畳の上に落とした。部屋の中はムッとしていて、シャツに汗が染みてじわじわと広がるのが自分でわかる。こんな仕事、さっさと終わらすに限る。
「どういう話か、わかってるな? これはただの警告だ。俺の仕事は向こうさんの警告をお前に届けること。いいか、ちゃんと歯を食いしばっとけ。骨が折れたりしたら自分で病院に行くんだぞ。死なれたら俺がヤバイ」
「や、やめてください!」
「逃げるな、こら」
 俺は拳を振り上げた。田中は見た目こそごつくても、なんにもできない男だった。思ったとおりの場所を好きなように痛めつけることができた。田中は情けない悲鳴を上げていたが、となりに遠慮してるんだか、声は小さかった。

★★★★★




 ゆすりたかりを生業としているいかつい主人公。
 年下の恋男はカタギだから裏の顔を隠して付き合っているが……。

 闇カジノで働き、人の弱みを握っては金を脅し取る、粗野で乱暴な男。
 しかし惚れた相手にはとことん弱い。

 ちんぴら仲間、中年刑事、脅迫相手たちと織りなす、ちょっとノワールでいてユーモラスでもあるゲイ官能小説。


 初出『ジーメン』。
 三回連載の第一話。









[小玉オサム文庫] の【漂流 小玉オサム作品集(23)】

デジケット・コムにて配信はじまりました。


『漂流 小玉オサム作品集23』

『漂流』


飛行機事故に遭い、絶海の孤島に流れ着いた父と息子。そしてもう一人、生き残った青年。

男三人で救助を待つが、水平線に船の姿はなく、空に飛行機の影もない。

サバイバル生活が続く内に、青年が父を誘惑する。拒んでいた父もやがて男同士の関係を受け入れはじめ……。


ゲイ官能SM小説。

初出『Super SM-Z』。




『真夜中の足音』


・・・・

あれはいつも真夜中のことだった。十代の終わり、家を出る少し前だ。いびきをかいて眠っていても、あの足音を聞くとはっきり目が覚めてしまった。暗い部屋の中に廊下の常夜灯の明かりが差し込んできて、私は布団の隙間から顔を出し、目をしばたかせるのだった。するとのっそりと、巨大な影が部屋に入ってくる。
「声を出すなよ」
息を殺した低い声だった。影は畳をミシミシといわせて私の布団をめくり、隣に潜り込んできた。酒臭い息の匂いがした。ごつい手が体を撫でた。
「いやだ」
私はかすれ声で言った。ごつい、煙草臭い手が私の口を押さえた。
「静かにしろ。声が出るなら、これで栓をしてやる」

・・・・

四十五になった主人公の私は二十数年ぶりに実家に戻ることになった。父と、年子の兄の二人で暮らしている家だ。
この数十年の間、見続けている奇妙な夢があるのだが、夢の内容は覚えていない。ただ同じ夢を見たという感覚だけが目覚めた時にある。それが淫夢であることはわかっていたが、実家に戻り、父、そして兄と暮らすようになってはじめて、夢の内容とその意味を知ることになる。
私は真夜中の足音をおそれていたのか、それとも待ちわびていたのか……。

初出『豊満』。官能サスペンス中年小説。

三回に分けて連載されたものをひとつにまとめてあります。




『夫たちの運動会』


娘の通う幼稚園の運動会。主人公の山一と妻の間には険悪なムードが漂っている。親子で参加する玉転がし競争を待っている時、すぐ後ろに並んだハゲ頭の後藤と言葉を交わすが、タイプと思っても山一にその気はなかった。しかし後藤は競争の後、山一の肩をつかんで誘う。幼児用の小さなトイレで二人は関係を持つ。

後藤には二十近く年下の妻がいて婿入りしている。夫婦仲はいいが、その陰で男遊びを続けてきたらしい。山一は結婚以来、四年ぶりの男の肌の匂いに興奮し、妻との不仲のせいもあって、後藤にいれあげていく。

不穏な空気が濃厚となるほどに、夫たちの性の関係は激しさを増していく。


初出『サムソン』。

前後編の二回で掲載されたものをひとつにまとめてあります。







こちらはまだ予約状態ですが、はやく登録済んだので。




アマゾンKindleストアにて予約状態になってます。
金曜に配信開始の予定です。


『脅す男 中編(全三回)』


★★★★★

 一風呂浴びてさっぱりした頃には、外で食事をする時間はなくなっていた。厚志が、何か作るよと言い出して鍋を火にかけ、湯が沸くのを待つ間にテレビをつけた。ちょうどニュースの時間で、アナウンサーが怖い顔をして話していた。
「……また警察官が犠牲になりました」
 俺は心臓が止まりそうになるのを感じた。全身が凍りつき、食い入るようにテレビ画面を見つめた。しかしどうも話している内容が食い違っている。北海道がどうとか言っていた。どうやら警官は警官でも別の警官の話らしい。俺はなんだかホッとした。しかしその話題が終わる寸前、アナウンサーが付け加えるように言ったのだった。
「立て続けに警察官が犠牲になってしまいました。ご冥福をお祈りします」
 こっちこそ吉祥寺だ! 俺はじっとしていられずにソファから立ち上がった。厚志が鍋に何か入れようと袋を持ち上げながら声をかけてきた。
「どうしたの?」
「俺の、俺の分はいらないぞ」
「え?」
「俺は、……どこかに行かなきゃならない」
「どこかって、どこ?」
「どこでもいい。とにかくこの街を離れないとダメだ」
 俺はきっぱりと言い放ったのだ。すると厚志は笑顔を向けてきた。
「旅行? いいねえ、いつ行く?」
「今からだ」
 俺がすごんだせいか、厚志は目を丸くした。だがすぐに言い返してきた。
「ようし、じゃあ、付き合っちゃおうかな」
「うん?」
 厚志は鍋の火を消して自分の携帯を取り上げた。そしてどこやらに電話をかけて、誰かと話した。切ると、俺を見てまた笑った。
「休みとれたよ」
「なんだって?」
「ずっと働きずくめで有給がいっぱい未消化だから、どうせ休みをとらなきゃならなかったんだ」
 なんだか話がおかしくなってきた、と思いながらも、俺もカジノに電話をした。支配人は迷惑そうにうなっていたが、夕べの俺の失態を見ていたから、疲れが出てるって思ったらしい。それにこの世界、急にいなくなる奴が多いのだ。まだ事前に連絡を入れる俺はましな方だろう。
 電話を切る頃には、厚志がネットで予約を入れていた。
「今からでも間に合うよ。空港に急ごう」
「お、おう」
 本当に着の身着のまま飛び出した。タクシーで空港に向かい、とりあえず必要な下着の替えを売店で買っていると、おい、と声をかけられた。振り向くと、金田と寄子がいた。
「な、なんでお前らがいる?」
 俺はびっくりしてまじまじと二人の顔を見据えた。すると厚志が横から説明した。
「さっき寄子さんに電話したら、一緒に行くって言い出したからさ、待ち合わせしたんだよ。金田さんもこられてよかったね。急な話なのに集まれてさ、なんかこういうの、ワクワクするなあ」
 厚志はうれしそうに笑っていた。俺も力が抜けて苦笑する。金田も寄子も笑っていた。だが、どこか奇妙な目つきで俺を見ている気もした。

★★★★★




 闇カジノで働く、ゆすりたかりを生業としているいかつい主人公。

 脅迫相手を呼び出したはずが、待ち構えていたのは中年刑事で、逆に脅迫され、レイプされる。

 そしてことが済んだ後、頭に血を上らせて刑事を殺してしまう。

 いつ逮捕されるかと怯える毎日がはじまるが……。



 年下の恋男、ちんぴら仲間、脅迫相手たちと織りなす、ちょっとノワールでいてユーモラスでもあるゲイ官能小説。


 初出『ジーメン』。
 三回連載の第二話。







この『脅す男』、脅し稼業の男の話、ということは覚えていたんですが、
内容は完全に忘れていて、校正のために読み返して、
先がどうなるかあんまりわからない展開で、
普通に面白く感じました。

なので、オススメ!
(変な宣伝ですかね?)

後編はまだ読み返してないので、先が楽しみ~。
自分で書いたものなのに。

アホ?




『漂流』の方はすべてアマゾンでは前から配信してるものをまとめた感じです。

割とどれも読み応えがある、小説っぽい小説かと思います。







『のぼせ 後編(全二回)』






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。


『のぼせ 後編(全二回)』


★★★★★

 根本はいつもよりよくしゃべった。安食堂でもりもり食っている間もずっと上機嫌で話しかけてくる。俺はテキトーに相づち打っていただけだが、ぜんぜん気にしていない。
「うー、食った食った。やっぱここのデカ盛りはすげえな」
 根本は張り出した腹をさすって爪楊枝をくわえた。そうして伝票とってレジに立つ。俺が自分の分を渡そうとすると、今日はおごってやる、と得意そうに笑う。なんだか気味が悪かった。
「で、お前んち行くのか、それとも俺のアパートか」
 俺が言いかけている間から、根本は遮るように口を挟んだ。
「あっちの国道に新しい店ができたんだと。行ってみようぜ」
「店?」
「作業服とかそういう店だ」
 それは労務者に必要なものが一通り揃った店だった。俺も興味がないわけじゃないが、今持ってるもので足りてるのだから、根本に付き合うだけだ。根本は渋い紺色の鳶装束を試着すると言い出した。俺たち鳶じゃねえぞ、と思いながらも、俺はテキトーにうなずいていた。
「ジャジャジャ、ジャーン」
 根本は自分で口ずさみながらカーテンを開いた。そうして俺に向かってどや顔してみせた。たしかに男っぽい奴なんだから、紺色も似合うし、鳶の格好も似合う。だからって、なんなんだ?
「前に付き合った女はよ、俺のこういう格好が好きだって言ってたんだけどよ、お前もそんなもんか?」
「は?」
「男が好きなんだ、そういうことだよな」
 根本は勝手に納得した風にうなずいた。なんだか妙だった。やっぱりおかしい。
「お前、どういう、」
「なあ、甘いもんが食いてえなあ」
「はあ?」
「お前も嫌いじゃないだろ? 付き合え、おごってやるから」
 根本は五本指の靴下やらいくつか買い込んで外に出た。そしてすぐとなりにあったファミレスに入った。俺は戸惑いながらもついていった。根本はなんの迷いもなく、メニューにでかでかと写真で紹介されている甘そうなパフェを注文した。俺がコーヒーを頼むと、なんだよ、お前も同じもん食えよと言って聞かず、ウエイトレスにパフェを二つ注文してしまった。きっと前に付き合った女と二人でそういうものを食っていたのだろう。だから慣れている。いや、それだけじゃなくて……。
 根本は前に付き合った女のことをいろいろと話してきた。未練があるとかかわいかったとかセックスの話かと思ったら、そういうことはほとんど飛ばして、その女とどんなデートをしたのかの解説だった。
「だいたいは昼頃に合流して飯食って、買い物して、ファミレスでお茶だな、定番だろ、そういうの?」
 つまり今日、俺たちがたどったようなコースが好みだと言い聞かされているのだ。
 まさか、こいつはノンケのはず……。
 俺は首をひねったが、ファミレスでグダグダした後は、飲みに行こうと腕をつかまれた。それもまた彼女とのデートコースの締めだったらしいのだが、楽しかった頃を思いだしたのか酒が入るとますます上機嫌になって、二時間飲んで居酒屋を出た時にはもうヘロヘロだった。
「おい、ちょっとこっちこい」
「なんだよ、しっかりしろって」
「いいからこいって」
 根本は俺の襟首をつかんで引っ張った。俺はチビだし後ろからつかみあげられて振り払うのに手間取った。その間に、電信柱の影に引き込まれキスされてしまった。ぬらりぬらりと酒臭い舌が俺の口の中をかきまわして、唾を送り込んできた。俺は反射的に飲み込んでしまってから、ようやく腕を振り回して根本の胸の中から逃げ出した。
「お前、どういう、」
「うー、どうなんだ、こういうの? まだわかんねえなあ」
 根本は考え込むような顔で腕を組み、首をひねった。顔から太い首筋まで真っ赤に染めて、かなり酔っぱらっているのは間違いない。やっぱり今日のこれはデートのつもりだったのだ。だが男のケツの味や尺八のよさにハマッたとしても、それでノンケがホモになるとも思えない。
「おい、もう帰って寝た方がいいぞ」
「ふざけんな。もちろんうち行くぞ。デートの最後は一発と決まってんだろが」

★★★★★




 土建屋に勤める三十代の主人公。

 ハゲ頭の社長に惚れているが、社長の好みは若くてシュッとしてるノンケ男。
 つらい片想いに悩んでいたら、同僚のノンケ男にしゃぶってくれとたのまれて……。

 図々しいノンケ男二人と、根っからの男好き二人の、奇妙な四角関係の物語。


 ゲイ官能小説。
 初出『ジーメン』。
 二回連載の後編。








最近、したいこととか欲しいものとか、そういうのがどんどんなくなってきちゃったんですよね。
前から減ってはいたんですけど、ここのところ、とくに。

旅行したいという気持ちもいまいち盛り上がらず。

したい、とは思うけど、お金を使いたくない気分。
その分を貯金したところで、とくに使い道もないのに。

人間、いつ死んじゃうかわからないのだから、お金は使った方がいいですよね。
そう思うのになんだかもったいない。


なんて言いながら数日後に予約入れてたりするかもだけど。






Appendix

プロフィール

osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして27年目に入りました。ピンとこない。だけど鏡を見るとそこにはおじさんがいるから間違いないんだよね。保湿につとめていきたいと思います。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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