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『婿養子 姫野忠輔』





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『婿養子 姫野忠輔』


★★★★★

 私は彼を強く抱きすくめた。このままずっとこうしていたい、と心の底から願った。彼の手が私の体を這っていた。背中から肩へ、それから脇腹へと滑って股間を撫でてくる。とっくに私は勃てていた。彼をのせて走り出したらすぐにかたくなってしまったのだ。それから三十分もずっとそのままだった。
「あれ、ズボンまで湿ってるよ?」
「え?」
 あわてて見下ろすと、どうやら先走りが出っぱなしだったようでスラックスの前がじっとり湿っていた。私は恥ずかしさで顔を熱くした。彼はそんな私を見つめてニヤニヤ笑っていた。
「スケベな体質なんだね、姫野さんってさ」
 彼の手が私の一物の形をなぞりあげた。湿ったせいで、スラックスの布地ごしにでも、どうおさまっているのかくっきりする。彼は何度も私の上に指を走らせた。その度、私の一物はヒクヒクと震えた。
「そろそろ生で見たいな」
 彼がファスナーを下ろし始めたところで、今さらながら恥ずかしくなった。
「でも、洗ってないから」
「ここは少しくらい汚くても平気だよ。でも今度は、ちゃんとお風呂のあるところであちこち舐めてあげたいな、姫野さんの体」
 パンツの窓から引っ張り出された私の一物は、自分でも驚くほど濡れていた。先走りで全体が濡れそぼって光っているのだ。彼はそこに顔を寄せていきながらため息をつくように言った。
「すごいいい匂いがするよ? 姫野さんの毛の生えてるところ、全部舐めてあげたいな」
「う」
 ずるり、と口の中に一物を飲み込まれた。そのあたたかくて濡れた感触に、私はもう少しで漏らしてしまうところだった。だが、今回はなんとかたえた。毎回早撃ちするとわかったら、彼もあきれるだろうと思ったのだ。
「はあっ、はあっ、気持ちがいいよ、たまらん……」
「んうう」
 彼の指が股の間を探っていた。汗で湿った睾丸やアリの戸渡りを刺激されて、今にも暴発させてしまいそうでハラハラした。それでいて、もう少し下を触ってくれ、と考えていた。風呂のあるところなら尻の穴まで舐めてくれるんだろうか?と考えた。
「ねえ、姫野さん、自分でしごいてみて」
 彼は体を起こすと私の目を見据えて言った。私は興奮で鼻息を荒くして聞いた。
「すぐにでも出そうなんだよ?」
「それはわかってるけど、僕、姫野さんがシコシコやってるとこが見たいんだ」
 私はじれったい気分で、だけど彼に逆らうこともできず、彼の唾で濡れた一物に指をそえた。運転席に座り、スラックスから一物だけ出してマスをかく姿を、彼は顔をニヤニヤさせながら見ていた。そして自分の股間をたまに握ったりした。
 私の痴態を見て彼も興奮している。
 そう思えば、私の興奮も高まった。
「はあっ、はあっ、このまま、出しちゃっていいのか?」
「待って、あのさ、写真撮ってもいい?」
 彼は後部座席においてあったカメラを取り上げた。私が返事をする前からファインダーを覗き込み、シャッターを切ってしまった。
「だ、だめだよ、写真は」
「いいじゃん、僕が見るだけなんだから」
「でもな、」
「いいよね? ほら、手を動かして」
「カケル君、」
「すごいやらしい写真になるよ、僕、写真撮ってるだけで出ちゃいそうだよ」
 彼も興奮しているのだ。つまり、セックスの一環として撮影があるのだった。私はそれ以上拒めなかった。カメラのレンズをにらみながら手を動かしてしまった。
「はあっ、はっ、だめだ、もう我慢できないぞ!」

★★★★★



 婿養子として肩身の狭い人生を歩んできた姫野忠輔は四十五歳。
 そんな忠輔の唯一の楽しみはパチンコ屋で行き会う若い青年を遠目に眺めること。
 あんな男の子と付き合えたらと夢に見ていたら……、本当に付き合うことに。

 スケベで積極的な若い男に求められるとなんでも許してしまう中年男の物語。
 ここではないどこかへ、と夢見ていたら本当に連れ出されてしまう大人のエロ・ファンタジー。


 ゲイ官能小説。
 初出『ジーメン』。









時代の流れというか、世代交替が進んでいるので、
女性と結婚している男が出てくるお話が
だんだん現実的でなくなってきたような気がして心配しています。
(あくまでもファンタジーだから「倫理的にいけません!」な意味ではなく)

とはいえ、海外のエロ動画サイトなどを鑑賞していると
fucked married man
的なタイトルのついてるものも(雰囲気的に男同士で結婚ではない感じ)
よく見かけるので、
ゲイリブの進んだ国でもやはり妻帯者というのはエロい存在ととらえられているのか。

となると、これからもわが国ニッポンでも同じように
妻帯者とか子持ちの男はエロスの対象として見られ続けるんですかね。

まあ、もうちょっとだけ自由な世の中がきて、
偽装結婚とかどんどん減っていくとしても、
その頃にはもう僕も引退しているだろうから、
あんまり関係ない気はするけど。

しかし妻帯者とか子持ちのエロスが個人的には好きだから
ファンタジーの世界では当面続けていきたいと思います。




『隣のノンケM』





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『隣のノンケM』

★★★★★

 酒を作り直して渡してやると、すぐさま芳山は愚痴をこぼし出した。奥さんに対する愚痴は前から聞かされていたが、Mの話がもう出ているせいか、よけいに「吐き出せた」ようだ。俺は軽く答えてやった。
「そうかなあ、ちゃんと話せばわかってくれるんじゃないか?」
「いやいや。前にちょっとにおわせたり、アレの最中に、いたずらで縛ってみるか?って持ち出したこともあったんだ。そしたらほんとにシラケた顔されてな」
 俺はちょっとあきれてしまった。
「いきなり縛ってくれってのはまずいだろ」
「そうか? それにな、他にもう一人男を用意して、3Pなんかしたら興奮するだろって聞いてやったこともあったんだけどな」
「軽蔑されたか?」
「まあ、軽く……」
「お前、3P願望まであるのか」
「え、うん、まあ、やらしいことならなんでもな。ははは」
 とてもそんな願望を抱いているようには見えない男なのだ。ごくまともな、女房相手にも正常位一筋って雰囲気の男。それが、妄想だけは突っ走っているのだからギャップが面白い。
「どこかにおれのことをちゃんといたぶってくれる女がいればなあ……」
 まるで、宝くじが当たらないかなあ、なんて話している調子だったのだ。だから俺もつい軽口で言ってしまったのだった。
「なんだったら、俺が相手してやるけどな」
「は?」
「いじめられればそれなりに興奮するんだろ。3Pだって三人目は男でもいいと思ってるくらいなんだから、けっこうイケるんじゃないか」
「なに言ってんだよ……」
 芳山はまだ笑っていた。だがその後は急に黙り込み、しばらく沈黙が続いた。まずいこと言ったかな、と俺は後悔していた。下手に色気を出したせいで、一気に気持ち悪がられる可能性もある。しかし今さら下手なことを言えばますますドツボにハマリそうだ。俺も黙って酒を飲んだ。するとやがて、芳山が独り言のように言った。
「……試してみようかな」
 俺は耳を疑った。だが、芳山はうつむいて酒の入ったグラスを見下ろしている。俺の方を少しも見ようとしないその態度が、冗談で言ってるんじゃないと暗に示していた。
「お、俺はいいぞ、ほんとに。ちゃんと手加減するから、安心していい」
 さりげなく、まだ冗談でもすませられるように言ったつもりだった。だが、俺の声は震えていた。芳山もようやく目を上げ、俺を盗み見るようにして、声を震わせた。
「……じゃあ、今度、ほんとに、たのもうかな」
「なんだったら今からだっていいぜ」
「今から、加藤さんと?」
「そうだ」
 芳山は怯えたような目つきになっていた。それが合図だと、俺は気がついた。後から考えれば、一か八かの賭けだった。ニヤッと笑ってやると、とたんに芳山は目を逸らし、うつむいて答えたのだ。
「お、お願いします……」

★★★★★



 隣の部屋に越してきた新婚夫婦。
 偶然にも同じ会社の社員で、卒業した大学まで同じだった。
 亭主の方はのんびりした雰囲気の、いかにもノンケらしい男。
 しかし酒に酔った勢いで、「実はMなんだ」と打ち明けてきて……。

 ノンケのM男とのプレイ体験を描いたゲイ官能小説。

 初出『Super SM-Z』。








小説や漫画を書いてる人もしくは書きたいと考えている人向けに、「自分が読みたいと思う話を書け」というような意見をツイッターなどでよく目にするんですが、それって難しくない?と思う。

僕の場合は、書きたい話・書ける話というのと、読みたい話はまるで違うから。

というか、結局は書ける話しか書けないし。

読みたい話のレベルがすごく高いものだったらそもそも書けないよね。無理無理。

……これって理想が低すぎる考え方?

そもそも、本を読みたいとか映画やドラマを見たいという欲求そのものがほとんど枯渇しているから、そういう意見に当てはめようがない。

やっぱり、書ける話、書きたい話を書くしかないなー。









『霧のPA』と『記憶喪失の男』





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『霧のPA』


★★★★★

 その翌日のことだった。
 午後、俺はいつもどおり、朝帰りの疲れを癒すために布団に入っていた。まだ少しはやかったが目を覚まし、里美の姿を探した。だがすぐに、今日は実家に呼ばれて出かけてしまったことを思いだした。良人も当分、学校から帰ってこない。俺はタバコに火をつけた。
「あれ、最後の一本かよ……、ちくしょ、ストックしてねえぞ」
 大事な一本を根本まで吸ってから、仕方なく外に出た。サンダルつっかけてコンビニに向かう。タバコを買って戻る途中で、あのとなりのちっこい大学生と、他の二人と出くわした。いや、偶然という雰囲気じゃなかった。待ちかまえていたのだ。
 俺は気まずく思いながら、できるだけ自然に振る舞った。
「よお、どうした?」
「いや、なんでもないスよ」
 俺はなんとか歩き続けた。アパートはすぐそこだ。後ろから、三人の足音が聞こえていた。同じアパートなのだからおかしなことじゃない。なのに怖くて仕方がなかった。この俺がとなりの弱っちい若造にビビッてる? だいたい、こいつらを怖がる理由がわからない。あんな女王様が出てくるエロビデオ見ていた奴らなのだ。男の俺相手にへんな気持ちになるはずがない。こないだ便所に二人で入ったのはたまたま一人が気分を悪くしただけで……。そこで初めて、俺は思いついた。
 でも、三人が見ていたのが女王様じゃなく、いじめられていた体のでかい男の方だとしたら?
 部屋の前まできたところで、振り返った。その瞬間、いきなり羽交い締めにされたのだ。
「なっ、おい、なんだよ!」
「静かにした方がいいスよ」
 いくら腕っぷしに自信があっても、三人の男に押さえ込まれたら逆らえるはずもない。強引に隣の部屋に連れ込まれた。散らかった部屋の真ん中に押し倒され、腕をひねられ、ビニール紐のようなもので手首をくくられた。
「なにしやがる!」
「どうせお仲間なんでしょう? おれたち、いつも郷田さんのこと話題にしてたんスよ。すげえかっこいい、色っぽい男だなあって」
「なっ、んうう」
 何かを口に押し込まれた。苦しくて首を振るが、その上からガムテープを貼られてしまった。
「んーっ!」
「いいじゃないスか、男同士なんだから、一発くらい犯らせてくれたって」
 他の二人もニヤニヤしながら、お願いしますよとかなんとか言っていた。俺は必死で首を横に振った。なんでこんなことになるんだ? ついこないだまで、男に狙われるなんて考えたこともなかった俺が、なぜ……?
「マッパにしちゃおうぜ」
「でも、半裸くらいの方がエロくね?」
「どうでもいいけど、男臭いよな、このおっさん。こんな寒いのに、汗くせえ」

★★★★★



 妻子ある、いかついトラック運転手が主人公。

 奥さんとケンカして日課のエッチをさせてもらえず、霧の立ちこめた小さなパーキングで手早く抜こうとしていると……。

 堕ちていく男の物語。

 ゲイ官能SM小説。

 初出『Super SM-Z』。









[小玉オサム文庫] の【記憶喪失の男】

デジケット・コムにて配信はじまりました。

『記憶喪失の男 小玉オサム作品集29』


せつなくもあたたかい系の短編を集めました。


『記憶喪失の男』

◆◆◆

「うー……、いいぞ」
低い声で呻きながらマドラーをゆっくり出し入れさせていた。なにしろスーツだからよけいに卑猥な姿だし、顔だちだって男っぽくてモテそうなのが、首まで真っ赤にしてあえいでいる。そこまでじっくり見ていたのに、気づくまでタイムラグがあった。
「あっ……」
思わず口を押さえて言葉を飲んだ。
高次?
よく見れば間違いなく高次なのだ。だけど十年ぶりだからなのか、とにかくだらしない雰囲気になってしまっていたからか、見違えた。高次は少し太ったようだった。デブじゃないけれど、三十男らしい肉付きのよさが目立つ。そのせいで、よけいにセクシーに見えるのだ。前よりずっと、全身から滲み出す何かがあった。男の性のオーラ、というのか……。

◆◆◆

22の頃に付き合っていた男と十年ぶりに偶然の再会。男は事故に遭って記憶があやふやで、別れた理由も覚えていない様子。三十代になった二人はもう一度付き合い出すが、あの頃となにもかも変わっていて……。変わったのは相手なのか自分なのか。
初出『バディ』。



『サーフィン』

◆◆◆

「今度、一緒に島に行こうよ、考さんもさ」
巨大なボードの間を歩きながら、和志は笑いかけてくる。どこまで本気で言っているのかわからないが、俺は軽く答えてやる。
「ちゃんとガイドしてくれるんならな。俺は英語ぜんぜんだから。あ、ただし、サーフィン教えようなんて考えるなよ」
「なんだ面白いのに。でもまあいいよ。オレのかっこいいとこ見せてやれるだけでもさ」
「自分で言うな」
こんなやりとりが最高に楽しいのだ。だけどやっぱり時間が気になった。はやくしないとアパートに連れていく時間がなくなる。俺は和志の体に触りたくて仕方がなかった。
アパートにつくと有無を言わさず裸にしてやった。和志は少し照れているが、俺の欲求には素直に従ってくれる。求められることもうれしいのだろう。それに体自慢の若い奴なのだから、俺に見せていい気分なのは間違いない。脱がせていく最中から和志は勃起していた。俺はニヤニヤしながら太ももを撫でた。そういえばもう日焼けが落ちてきているようだ。そうは思ったが、口には出さないでいた。しかし顔には出たらしい。
「もう日焼けがとれちゃってさ。オレって体質的に日焼けがすぐに落ちちゃうんだ。また白くなっちゃうよ」
和志はつまらなそうにこぼしていた。たしかによく日に焼けた和志は海の男といった雰囲気でたくましい。しかし服をはいでいく時、色白な肌があらわになる瞬間ほど、俺の心を締めつけるものはないのだ。
「色白だってセクシーだぞ?」
「でも、オレってサーファーなんだよ?」
思わず噴き出してしまった。和志はムッとして俺をにらむ。俺はそんな奴の顔を両手で挟んでキスしてやった。小さなことに一喜一憂する、若いこいつが愛しいのだ。

◆◆◆

競馬場そばの立ち飲み屋の店主三十四歳が主人公。プロサーファーを目指す二十歳の若い男と出会い、惚れ込むが、年の差、考え方の違いが距離を生む……。ごついおっさんと若いサーファーの恋。
初出『バディ』。

注意。他サイトにて『年下のサーファー』というタイトルで配信されているものと同じ小説です。



『おれの熱い穴』

◆◆◆

「今度、うちに遊びにくるか」
彼は照れくさそうに笑ってうんうんうなずいた。いかにももてそうで、もてすぎて嫌な奴になっていそうなタイプなのに、こんなに素直で、かわいい奴なのか。
おれは彼の耳元に顔を寄せて聞いた。
「おい、ほんとにおれなんかでいいのか?」
すると彼もおれの耳元で言い返した。
「すげえかわいいスよ」
「はあ? なに言ってんだお前?」
「さっき、指入れた時の顔」
「え?」
「恥ずかしそうに顔赤くしてるとこが最高にかわいかった」
「ば、ばか、マイッタな……」

◆◆◆

淫乱旅館で出会った二十一の祐介と三十五歳のおれ。長く付き合えそうな、いい雰囲気の二人だが、若い祐介はどんな場所ででもおれに指を入れてくる……。

初出『バディ』。年の差カップルもの。





『サーフィン』は初出『バディ』となっていますが、
当初は、今は休刊になってしまった某誌に渡した原稿でした。
(このこと前にも書いたかな……)

自分としてはかなり自信のある内容だったのに、なぜか編集さまに響かず。
三十代のおじさんぽい主人公と、二十代の若い相手のいろんなギャップを描いたんですが、
二十代キャラの考えてることがわからない、というようなことを言われて。

おじさんには若い奴の考えてることがわからない、けれど、愛おしい。
そんな風なことが主軸の話だったので、わからなくていいはずなんだけど、
(もちろん編集さまだからそんなことは説明せずとも理解してくれていた)
どうも単純にお話とかキャラが好みでなかったのか。

あと、このお話は口と手、もしくはスマタという性描写をメインにしていて、合体シーンがない。
そこも好まれなかった様子。

で、そういう事情があるんですが使ってもらえませんか?とバディさまに相談したら、
快く掲載の運びに。

ありがとうございます。


しかしほんと不思議。
内容的にはかなり気に入ってる話なのになあ。
居酒屋のオヤジとプロのサーファーを目指す若い男の子の恋。
ジェネレーションギャップ系の筋立て。


ここまで書いて気がついた。

Kindleで発表した『学生旅行』(その後、デジケット・コムでも配信済み)という小説があるんですが、
それも某誌用に書いたんだけど、同じ編集さまにボツにされた。

それもおっさんと若い男のギャップ系の話だった。
こちらは若い男が主人公で、おじさんの考えてることがわからない系。
(ちなみにセーフでないセックス描写が山盛りなのでバディさまに相談することはそもそも諦めていた。)

こういう傾向のお話が嫌いだったのかな。
でも、その手の話なら他にもいっぱい書いたし、掲載してもらった気がする。
謎。
似たような話書いてき過ぎ!と思われていたのか……。





『悪友 おっさんとおっさん』






アマゾンKindleストアにて配信はじまりました。

『悪友 おっさんとおっさん』

★★★★★

 それから何時間か経って、男の低いうめき声で目が覚めた。
 見慣れない天井の模様に、一瞬、自分が今どこにいるのかわからなくて戸惑った。窓の外に広がる海が目に入り、ようやく旅に出たのだと思い出した。腕時計を見るともう昼近くになっていた。
 また声が聞こえてきた。
 俺はパンツとTシャツ一枚の姿で寝ていた。そのままの格好でそっと寝室を出てリビングに入り、もう一つの寝室のそばまで裸足で歩み寄った。ドアは閉まっているが、でかくて重い引き戸には隙間があいていて、顔を寄せるだけで中が覗ける。ほんのいたずら心だったのだ。後で、見てたぞ、と二人をからかってやるつもりだった。
 ベッドの上で、親子ほど年の離れた男二人が裸で抱き合っていた。
 覗く前からそういうこととよくわかっていたはずなのに、俺はなんだかショックを受けてしまった。
 塚本のおっさんがベッドの上で、枕を背に当てヘッドボードにもたれかかるように座っていた。大股を開いて、その間に兼太が顔を寄せている。兼太はうっとりした顔でおっさんの一物を頬張っている。おっさんの方は得意げな、やけに男っぽい顔になっていて、俺はドキッとさせられた。
「あー、いいぞ、上手だな。そら、キスしてくれ」
 塚本のおっさんが兼太の髪の毛をつかんで引き寄せた。兼太はおっさんの一物を吐きだして体を起こし、おっさんとキスをする。たっぷりと舌を絡ませあってから、また兼太がおっさんの股間に顔を戻そうとする。が、その途中でおっさんの乳首に吸いついた。
「あっ、あっ、う……」
 おっさんはでかい声でうめいていた。首を左右にブルブルと振ってたえている。乳首がそんなに感じるとは知らなかった。ただ乳首を吸われているだけで、おっさんの一物がヒクッ、ヒクッと鎌首を振り上げるのが見えた。思ってたよりでかい一物だった。これで受け専門なんてもったいない話……。
「兼太、ケツに指入れてくれるか」

★★★★★


 四十代のおっさんと五十代のおっさん。
 二人は悪友で、ともに若い男がタイプ。
 いつも車飛ばしてハッテン場をめぐり、男遊びを繰り返しているが……。

 ガタイのいい若い男を間に挟んで、奇妙な三角関係がはじまる。
 おっさん二人の、恋の鞘(さや)当て。



 同人誌『漢祭二号』に掲載された作品。

 ゲイ官能小説。






というわけでちょっと遅れましたが無事にはじまりました。

こちらけっこうお気に入りの作品。

おっさん二人と若い男の三角関係なんですが、男同士ならではの三角関係になっていて。

いまさらですが、三角関係にもいろいろあるな~、と思いました。
きっとまだ書いたことのない三角関係があるんでしょうね。
思いついたら書きます。




予約配信ならず




いつもならここにKindleで新しく配信をはじめたセクシー小説の宣伝を貼るのですが、
今週はアマゾンさまがなにかうまくいっていないらしく。

ちゃんと金曜に配信が始まるように予約配信の手続きしたんですが……。

いっぱい配信していればたまにこういうことがあるのは仕方ないですね。

すいません。



配信がはじまったらまたお知らせします。

ちなみにその配信予定の小説は『漢祭二号』に掲載してもらった
『悪友 おっさんとおっさん』となります。





Appendix

プロフィール

osamukodama

Author:osamukodama
小玉オサム
今は亡き『さぶ』でデビューして27年目に入りました。ピンとこない。だけど鏡を見るとそこにはおじさんがいるから間違いないんだよね。保湿につとめていきたいと思います。

旧ブログ http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/
リンク欄にリンク張ってあります。

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